テラーノベル
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ぎりぎりで保って来た気持ちの均衡が崩れた。
翔太を好きな気持ちが、つい、よくない方向へと流れてしまった。そして俺の気持ちはこうして溢れるほどに翔太へと強く向き始めている。
このままではグループとして、リーダーとしてさらによくない方向へと向かってしまう。
でも自分ではどうしたらいいかわからなかった。翔太の存在は俺の中で大きくなりすぎていて、何よりも彼を失うことを恐れてしまった。
💜「俺にも言えないようなこと?」
そんな中。主語もなく、ふっかが二人きりの控え室でいきなり声を掛けてきた。
💜「なべと何かあっただろ。喧嘩?」
怪訝そうに言うふっかに、物言えぬ視線だけを送る。胸に秘めた想いを打ち明けるか迷った俺の口からはなかなか言葉が出てこない。もやもやした気持ちはあるけれど、かといってどうこうもできないと俺は半ば諦めかけていた。
💜「お前が何に悩んでるかわからねぇけど、ちゃんとなべと話せよ。あいつは案外オトナだし、照の気持ち受け止めてくれると思うぜ?」
後々聞いたところによると。
ふっかはこの時本当に何もわかっていなかったらしい。俺の気持ちが何なのかもわからずに、正面からぶつかってちゃんと喧嘩しろって意味で言ったみたいだ。このまま翔太と俺が分断したらグループにとって悪い影響になると心配したのだという。
しかし疑心暗鬼になっていた俺は、ふっかに想いがバレていると思った。
そして、ここらが潮時だと腹を括った。
俺はこの日、勇気を振り絞って翔太を呼び出した。
俺の家に。
外だと、自由に話せないと思ったから。
コメント
4件
💛頑張れ!
さすがだなほんとメンタリストさん💜