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当て馬/エセ関西弁/プロ軸
夢主→ナマエ表記
練習終わり。汗だくのまんまロッカーでスマホを開いた。
「……ナマエ、から?」
久々の通知に、ほんのちょっと胸が跳ねた。
それなのに。
‘’侑、久しぶり。
この前、結婚しました〜
ちゃんと報告しとこ思って!幸せになります!”
「…………は?」
指が止まった。
笑う口元が引きつった。
頭をガツンって殴られたみたいだった。
「なんで俺やないん……?」
ポロッとこぼれた言葉が、やけにリアルすぎて笑えなかった。
高校の時から、ずっと一緒にいた。
お調子者のフリして、ほんまはずっーと
お前のこと、見とったんやで?
「なんで……俺、ちゃんと伝えへんかったんやろなぁ…」
ぽつり、ぽつりと後悔がこぼれる。
あの日、冗談混じりに言った
『ナマエ、ええ嫁さんになりそうやな〜』
ってあれも――
本当は「俺の嫁になってくれ」って意味だったのに。
でも、もう遅いんやな。
スマホの画面見つめながら、言葉を絞り出す。
‘’おめっとさん。
幸せにな〜”
送信ボタンを押した瞬間、
胸の奥がズキンって鳴った。
「素直におめでとうなんて……言えるかいな、アホ……」
誰もいないロッカーで、ひとりごとが虚しく響く。
心から好きだった。
けど、それをちゃんと伝えきれんかった俺の負けや。
ほんまは今すぐ会いに行って、
「お前が好きや」って叫びたかった。
でも、お前の左手にはもう
誰かのもんになった証が光ってるんやろ?
「……幸せにな、ナマエ」