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封じられた時計塔

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封じられた時計塔

1 - 封じられた時計塔

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2025年05月10日

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第一章:沈黙の鐘
レオ(若き魔導士)「……あれが、噂の時計塔か。見た目より、ずっと古びてるな。」


ミラ(王国の諜報員)「時間が止まってる。あの針、100年前から動いていないって話よ。」


レオ「100年前……“黒の鐘鳴り事件”の直後だな。」


ミラ「あの夜、王都中の時計が狂った。ひとつだけ鳴った鐘の音で、すべてが変わった。」


レオ「そのとき、何が起きたのか。俺たちは今から、それを確かめに行く。」


ミラ「心の準備はできてる?」


レオ「とっくにできてる。さあ、入ろう。」




第二章:眠れる記憶


ミラ「……この空気、変ね。普通じゃない。」


レオ「時間が動いてない。生き物の気配がない。」


???(少年の声)「だれ……?」


レオ「今の、声か?」


ミラ「子どもの……どこから……?」


???(少年の声)「レオ……ミラ……」


レオ「なぜ俺たちの名前を……!?」


ミラ「聞いてるの?あなたは誰?」


???(少年の声)「ぼくは……時計塔に閉じ込められた……“記録”……」


レオ「記録……?お前は、人間じゃないのか?」


???(少年の声)「ぼくは、誰かの“記憶”……名前を思い出させて……」




第三章:謎の名


レオ「名前……それが鍵なんだな?」


ミラ「100年前に閉じ込められた記憶……それに“名前”を与えると?」


???(少年の声)「そうすれば……ぼくは、自由になる……」


レオ「ヒントをくれ。お前の名前の、手がかりを。」


???(少年の声)「鐘が鳴った夜、ぼくはこの塔の上にいた……それだけしか……」


ミラ「塔の記録を探すしかない。どこかに、この塔の最後の記録があるはず。」




第四章:狂った時間


レオ「これは……日誌?塔の管理人のものか……」


ミラ「“時守 ラウル・エレミア”……最後の記録に、こうある。」


ミラ(朗読)「『今夜、13回目の鐘が鳴る。誰もいないはずの鐘楼から、子どもの声がする』」


レオ「ラウル・エレミア……それが名前か?」


???(少年の声)「ちがう……その人は、ぼくを見た……でも、ぼくじゃない……」


ミラ「じゃあ、その子どもは、塔の記録に残っていない“存在”……?」


レオ「幽霊か、幻か……いや、“時間に喰われた”のか……?」




第五章:13番目の鐘


???(少年の声)「13回目の鐘が……鳴ると、また最初に戻る……」


ミラ「どういう意味?」


???(少年の声)「ぼくは、13番目の鐘が鳴るたびに……また、ここに戻る……」


レオ「ループしてるってことか。100年間、ずっと?」


???(少年の声)「うん……だけど、君たちは“違う”……はじめての人たち……」


ミラ「私たちが、ループを壊せる?」


???(少年の声)「君たちが、“真実”を知れば……」


レオ「そのためには、名前が必要なんだな?」


???(少年の声)「うん……最後の鐘が鳴る前に……」




第六章:名を持たぬ少年


レオ「記録の続きがあった……“ラウルは一人の孤児を保護していた”」


ミラ「“名前も記録もない少年”……それが、あなた?」


???(少年の声)「……ぼくには、名前がなかった。でも……ラウルはぼくを守ってくれた」


レオ「そのとき、何が起きた?」


???(少年の声)「ラウルは、鐘を鳴らしてはいけないと言った……だけど、ぼくが鳴らした……」


ミラ「なぜ?」


???(少年の声)「ただ……知りたかったんだ。時間の外って、どんな感じだろうって……」


レオ「そして、お前は“時間の外側”に落ちた……?」


???(少年の声)「うん……だから、ぼくの名前を見つけて……“今”に戻して……」




第七章:選ばれる名前


ミラ「記録の最後に、こう書いてある。“彼に名前を与えることは、神に抗うことだ”」


レオ「それでも、名前を与えなければ、彼は戻れない。」


???(少年の声)「名前を、与えて……」


ミラ「あなたの目は、ラウルに似てる……彼の息子として、生きてたのかも」


レオ「じゃあ……“エレミア”。それが、君の名前だ」


???(少年の声)「……エレミア……ぼくの……」


(ゴーン、と13回目の鐘が鳴る)


ミラ「レオ!空間が崩れ始めてる!」


レオ「しっかりしろ、エレミア!名前を忘れるな!」


エレミア「ありがとう……やっと、“ぼく”になれた……」


(光が満ち、時が動き出す)




最終章:時計は再び動き出す


ミラ「……終わった?」


レオ「時計の針が……動いてる。100年ぶりに、時が戻ったんだ。」


ミラ「あの子は……エレミアは?」


レオ「どこかで……今という時間の中を、生きているさ。」


ミラ「この塔、まだ秘密がありそうね。」


レオ「時間ってやつは、いつも何かを隠してる。」


ミラ「でも今日は、それをひとつ暴いたわね。」


レオ「次は、どの時間を暴こうか。」


ミラ「あなたって、本当に性懲りもないわね。」


レオ「それが、俺の性分だからな。」




――完――


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