テラーノベル
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──────メメさん視点──────
もう、待っていられるほどの猶予はなかった。
1週間後にあの天使を葬り去る、と約束したやつが今はベッドの上で苦しそうにうめきながら眠り込んでいた。タイムリミットは今日だったから、あらゆる手段を用いて起こそうとしたが、その悪魔は起きることはなかった。
「クソが」
短く呟き、その部屋を後にする。言葉だけの悪魔なんていままで散々みてきたのだ。これもまた予定調和、というもの。そもそも私の周りで他乗れる奴なんていなかった。信じれるものは己の次に契約のはずだ。あとは、もう。私が引き受けるしかない。
「茶子。賭けをしよう。」
「はぁ?また唐突な…。まだ天才起きてませんよ。そんなことしてる暇があったら起こす方法を────」
「私が生きてたら、イエモンと仲直りする方法を一緒に考えて。死んだらこの狂った場所から逃げろ。今なら…そうだなぁ。下界とか、案外バレにくいんじゃないかな?」
「はぁ!?何を言ってるんですか!?それじゃ、まるで───」
そこまで言って、茶子は押し黙る。私のとんでもない眼力にやられたのか、気迫にやられたのか。今じゃもう分からない。だけど、今はそれどころではなかった。
「いいか。この戦いは私一人で行く。複数人引き連れるのは自殺と同義だ。私は絶対に死なない。それくらい、わかるだろ?」
「は、いや、え?まさか、あの天使相手に一人で行くつもりですか!?」
「そう。ゆーて100年にも満たないくらいの時間しかいないけど。ありがと。世話になったね。」
「いや、ちょ──────」
私はそのまま静止の声を振り払い、そのままその天使の居る場所にワープする。
さぁ、真に神に愛されたものはどちから。証明しようではないか。
──────魔界にはありふれた、ある火山の下の平野だった。元は草原が広がる地域ではあったが、今じゃ戦火に巻き込まれ、この有様である。焦土と化したその大地が私を呪うように足元を焼き尽くしてくる。私はそれを気に求めないで、その上空に存在する天使のみを見つめた。
───あの日見た、あの天使の姿と瓜二つ。それだけで、私はルカを連れ去ったあの忌々しい天使だと理解した。事前の情報を仕入れたはいたが、今、目の前にいる、存在した姿を見て確信したのだ。目元を布で覆い、色素の薄い───知識で語るならば空色であるその髪を鎖のような髪型であり、その背中からは純白の翼が悠々と広げられ、その背後には神を模倣したかのような美しい光輪が回っており、神々しまでの光で飾り付けられているというように、その天使は無表情だった。
───そして、その手には神器である扇と金色の腕輪がはめられていた。
───【神器:傀儡の踊り子】───
死んだもの達を強制的に生き返らせ、生きた時と同じ知能、実力を持ち、この天使が敵対したものを敵とみなし、襲いかかるようになる。死んだ仲間から敵として襲いかかるという悪魔の所業を天使がやってくる、と言う。
「───どっちが悪魔か分からないものですねぇ!!天使が、死を愚弄していいんですか!?」
私が叫んでも、それに答える天使なんて居ない。相も変わらず雲の上に座り込む天使の目は分からないが、私は、あの天使が私を見下ろしているように感じた。
まだ、あの天使に対して胸糞の部分がある。
それは、私達悪魔──特に、能力を持った悪魔の魂を新たな神器に変化させる、というもの。
そして、あの天使はいつも数十体の天使を引き連れてやってくる。それは全ての天使が神器を所持している、ということ。それぞれ天使は弓を構えているが、その腕には、頭には、服には───様々な色の宝石と金で装飾されており、あぁ、神器なんだろうな、と察せられるほど煌びやかであった。
「───敵を駆除。敵は1名のみ。」
「野蛮ですね〜!話し合い、という手段がいつからなくなってしまったんですかねぇ!?」
私はそう啖呵をきる。神器を持った馬鹿ばっかりに負けるほど私は弱くは無い。ようやく、私の力を出すにふさわしい天使が舞い降りてきてくれたのだ。ならば、早々に私のカードを切ってしまおう
強欲の悪魔の能力を相手は知っているのか?───おそらく知らないだろう。何故ならば私はこの席に座ってから一回も使っていないから。情報収集をしたからと言っても使ってない力を見つけるのは不可能だ。私は、これで情報の悪魔の能力すら騙して見せたのだ。馬鹿な天使どもにそれがわかるか否か。
まあ、分かったとしても理解できるかは知らないが。
「【吸収】」
私がそう、この場で宣言する。途端に、天空で弓を構えていた天使たちがバタバタと転落していく。まるで、悪魔の力に染まりすぎて、堕天してしまった天使のようで、非常に美しかった。
「多人数で攻めるからそうなるんですよ。いつも数の暴力で攻めるあなたから見て、今は異常事態ですもんね?こんな弱っちいやつに神器なんて言う不相応なものを与えるから敵に上手く利用させられちゃってるんですよねぇ!!」
そう言って、私は金と宝石で作られたゴテゴテの装飾品を身にまとい、神の力を行使する。途端、1面は炎を纏う焼け野原となり、重力で飛ぶのを阻害し、風で視界と聴力を塞ぐ。
天使は無表情で自らが地上に足をつけた。その動作に鬱陶しそうな動作はなく、ただ、暴風ならば飛ぶより地上の方が良い、という単純な思考によるものだと感じ取れた。
それよりも、ずっと上から見下ろすだけの天使が私の行動によって下に降りてくる。これほどまでに気分が上がることはなかった。ゆくゆくは私の目の前で土下座させて───。そんな危うい思想が出始めた時、奴は既に行動をはじめていた。
その扇が、私の頭と体の繋ぎ目、首を切断した。あまりにもあっさりと頭がころりと落ちて、ゴロゴロと回転する。私の視界は黒、赤、黒、赤と何回も繰り返して、ようやく止まる。
「───敵は、不死身なようです。よって、再生箇所を埋める判断。再生の遅れあり。けど、再生は止められないようです。…連れ去りからの魔力遮断室に置くのが適切かと。」
「ふふっははははっっ!!やっぱり、私の事覚えてないんですねぇ!!」
やられた側はやったことを覚えていない。よく聞く話だが、どうやら本当のようで。私は、はっきりやつの姿を見たことがある、と言うのに。こいつは覚えていないらしい。それが、今は逆に安心だった。
やっぱり、こいつは神じゃない。完璧に記憶しきれない、ただの生命体のひとつに過ぎないと。それが確信できただけでも、素晴らしいことだ。
私は、そのまま───頭が離れたまま体を動かし、その天使の首を締める。
「…。分からない。なぜ、あなたは…ひとつの個体に執着するんですか?」
「あぁ?なんです?今、耳が(物理的に)遠くてですねぇ!よく聞こないですよ!!」
らしくもなく、私は大声で叫ぶ。しかし、その間には既に体が胴体と繋がっており、私はそのまま天使を見下ろす。もうひとつの胴体はなにかよく分からないものが凝結によって再生できないようになっている。ふむ、これくらいなら別に再生できたか、なんて思いながら私はその天使を見下ろす。首をきつく締められているというのに顔色一つ変えない。…やはり、悪魔の力は効かない、という噂は本当だったらしい。こりゃいくらやっても無意味だな、なんて思いながら、私はそいつを質問攻めにする。
「…さっき、なんて言ったんです?」
「…1つの個体に執着する理由は?と、問いました。」
やけに機械的に答えるな、こいつ。なんて思いつつも、私は敵に対して律儀に答える。そうしている間にもどう殺そうか、と頭を回転させながら。
「ん?そりゃ一緒にご飯食べて、戦場では背中を託した所謂戦友ってやつだからですよ。ま、あんたに拉致られた悪魔は私の親友だったんですけどね。」
「…?しん…ゆう?悪魔独自の言葉、でしょうか?」
「はぁ…?天使ともあろう方がこんな簡単なことも知らないんですか?」
「…我々は、生まれた時から作法、礼儀、マナーを習い、全てが同一個体としてみなされ、外見的特徴を変えていいのは神器を持つ個体と七つの美徳様のみです。それ以外は階級事によって姿が指定されていますので。」
「…自由も何もないもんですね。そこ。」
「?じゆうという言葉も、その意味も理解できぬまま死ぬ。それはそれで幸福なのでは?───知らないものがなくたって困りませんから。」
「…危ないしそうしてますねぇ。」
そんなこんな変な雑談が始まった。
ここで切ります!昨日投稿できなくてすみません!!実は昨日普通に熱にかかりまして。…久しぶりに38.8という笑えない数字を見ましたね…。びっくりしました。ちなみに!高校の公立の方合格しました!!やったね!!晴れて4月からJKというやつですね!よろしくお願いします!!
それでは!おつはる!
コメント
9件
洗脳教育やん
誤字なんですが