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僕は埋まった足を引き抜いて、動ける状態にした。そして僕は技を繰り出した。「扇録、第一の殊、プロデータス!」周りの状態が一気に変わる技だ。この技のおかげでぬかるんでいた地面は乾燥し、周りの木は枯れ、少女も抜け出すことが出来た。そして同時に衝撃波を起こしたので、木森精の体が凹んで地面に叩きつけられた。僕はその隙を逃さずに、少女の手を取ってその場を離れた。
状況の処理が追いついていない少女に手を振ると、はっと気づいて、自分の足を見た。そうして僕はふと気づいた事がある。そう。この子の名前はなんだろう、と。だから僕は少女に聞いた。「そういえばさ、君ってなんていうの?」「あ…」すると少女は泣くような仕草を見せた。「…い。」「え?」「わか…らない…」少女の目には涙が溜まっていた。僕の服で拭っても少女の目からは涙が止まらない。記憶的に嫌な事を聞いてしまったかもしれない。このままだといけないと思って、僕が呼び名を決める事にした。「じゃ、じゃあ!僕が決めてあげるよ!えっと、えっとね…いふちゃん!」「いふ…?」「そう!いふ!」「いふ…!」少女は嬉しそうだった。僕は青色のナイフを貰ったため、そのナイフのイフを付けただけだ。そう。ネーミングセンスがない。でも少女、いや、いふは嬉しそうでよかった。僕はいふの手を引いて、近くの崖まで連れていった。最初は風が強く怖がっていたが、次第に探検心に変わっていった。
崖に着いた時、いふは口を開いたまま、周りを見渡していた。
少し経った時、いふは下に地面が無いことに気付かず、落っこちていった。僕は咄嗟に崖から飛び降りて、勢いを付けて、いふを包むようにした。そしてそのまま地面に叩きつけられた。僕は背骨を骨折したほどの怪我で済んだけど、いふはどうだろう。いふは髪を掴んで泣き震えていた。僕が大丈夫と聞くと、いふはこちらに目線を向けた後に顔を隠した。僕は最初何をしているか分からなかったけど、いふが小さな声で謝ってきたことでようやく泣いていた理由が分かった。