mtk×ryok×hrt
次回から🔞あります
学パロ注意。
りょーちゃん高三、他2人高一設定です
放課後の賑やかな教室を抜け出し、
大森元貴と若井滉斗は足早に軽音楽部の部室へと向かっていた。
今日の練習は涼ちゃんも一緒だ。
それだけで、二人の足取りは軽くなる。
部室のドアを開けると、すでに藤澤涼架がキーボードの前に座って、優しいメロディを奏でていた。
「涼ちゃん、お疲れ様!」
若井が声をかけると、涼ちゃんはふわりと振り返り、
「あ、元貴、若井!お疲れ様」とにかっと笑った。
その笑顔を見るたびに、元貴の胸はきゅうと締め付けられ、若井は顔には出さないものの、内心で歓喜の声を上げていた。
練習が始まると、元貴のギターとボーカル、若井のギター、そして涼ちゃんのキーボードが一体となり、部室は彼らだけの特別な空間となる。
しかし、演奏の合間には、二人の涼ちゃんを巡る静かな戦いが繰り広げられていた。
休憩時間、涼ちゃんがペットボトルのお茶を一口飲む。
すると、元貴がすかさず「涼ちゃん、それだけじゃ足りないでしょ?僕の、もっと冷たいの飲んで」と、自分の水筒を差し出す。
若井はそれを見て、すっと涼ちゃんの隣に座り、「涼ちゃん、疲れてるでしょ。肩、揉んであげる」と、ごく自然に涼ちゃんの肩に手を伸ばした。
涼ちゃんは困ったように「あはは、ありがとう二人とも。大丈夫だよ」と笑うけれど、
元貴は若井の手が涼ちゃんの肩に触れているのが気に入らないし、
若井も元貴のしつこいまでの気遣いに舌打ちしたくなる。
「涼ちゃん、この前の新作のスコア、どこまで進んだ?」
元貴が涼ちゃんの隣にぴったりとくっついて、楽譜を覗き込む。
涼ちゃんの甘い香りが元貴の鼻腔をくすぐり、思わず「涼ちゃん、いい匂い…」と呟いた。
「元貴、近すぎ」若井がすかさず元貴の襟首を掴んで引き離す。
「涼ちゃん、休憩中に悪いんだけどさ、ちょっと聞きたいことあって」
涼ちゃんはきょとんとした顔で「うん、何?」と若井を見る。
若井は涼ちゃんの注意が自分に集中していることに満足し、「この曲のさ、ここのアレンジなんだけど…」と、涼ちゃんにしか聞こえないくらいの声で耳打ちした。
その距離の近さに、元貴はまたもや胸の奥がざわつくのを感じた。
結局、練習はあっという間に終わり
、帰り道も三人は一緒だ。元貴と若井は、涼ちゃんを挟んで歩く。
学校の門を出ると、涼ちゃんに気づいた女子生徒たちが「あ、藤澤先輩だ!」と声をかけてきた。
涼ちゃんはいつものように優しく微笑み、「やっほー」と手を振る。
元貴と若井は、涼ちゃんの周りに群がる女子たちを睨みつける。
特に元貴は「あの女の人たち、涼ちゃんの邪魔してる…」と不満げに呟いた。
若井はそんな元貴の様子に内心苦笑しつつも、同感だった。
しばらく女子たちと話していた涼ちゃんが、「ごめんね、元貴、若井、待たせちゃったね」と戻ってくると、
元貴は「ううん、大丈夫だけど…あんまり他の人と話さないでほしいな」と、幼い弟のように涼ちゃんの服の裾をぎゅっと掴んだ。
若井はそんな元貴のストレートな言葉に内心焦りながらも、「元貴の言う通りだよ、涼ちゃん。俺たちといる時くらい、俺たちに集中してほしいんだけど」と、元貴よりも大人びた口調で、涼ちゃんの腕を掴んだ。
涼ちゃんは二人の様子に、少しずつ違和感を覚え始めていた。以前は気にならなかった、二人の独占欲のようなものが、最近は胸の奥を温かく、そしてくすぐったくする。
「元貴、若井…二人とも、どうしたの?」
涼ちゃんの問いに、元貴は顔を真っ赤にして俯き、
「だって、涼ちゃんが、他の人に取られちゃうんじゃないかって…」と、消え入りそうな声で言った。
若井は元貴の言葉に、これまた焦りを感じつつも、意を決して涼ちゃんの目を見つめる。
「涼ちゃん…俺、涼ちゃんのことが…」
若井が言いかけたその時、元貴が勢いよく顔を上げて、若井の言葉を遮るように叫んだ。
「涼ちゃん!僕、涼ちゃんのことが大好きだよ!」
元貴の突然の告白に、若井は目を見開いた。そして、涼ちゃんもまた、驚きで目を見開き、そしてゆっくりと、
その顔を赤く染めていく。
「え、元貴…?」
呆然とする涼ちゃんの前で、元貴と若井は互いに視線を交わした。そこには、ライバルとしての火花と、それでも涼ちゃんを想う共通の気持ちが宿っていた。
元貴の突然の告白に、若井は顔をしかめ、涼ちゃんは真っ赤になって固まっていた。
先に口を開いたのは、状況を理解しようと努める涼ちゃんだった。
「え、元貴…その、どういうこと…?」
元貴は、涼ちゃんに真っ直ぐな視線を向けたまま、
「涼ちゃんのことが、恋愛として好きってこと!ずっと前から好きだったの!」と、勢い込んで言い切った。
若井は、元貴のまっすぐな言葉に焦りを感じつつも、ここで引くわけにはいかないと涼ちゃんの腕を掴み直す。
「涼ちゃん、俺もだよ。俺も涼ちゃんのことが好き。元貴と同じくらい、いや、元貴よりもずっと、涼ちゃんのことが大切」
二人の真剣な眼差しに、藤澤涼架は戸惑いを隠せない。まさか、いつも一緒にいる二人が、自分にそんな感情を抱いていたなんて。
嬉しいような、でも、どうしたらいいのかわからないような、複雑な気持ちが胸に広がる。
「あの…元貴、若井…ありがとう。二人とも、僕のこと好きって言ってくれて…すごく嬉しい」
涼ちゃんは、はにかんだように微笑んだ。
その笑顔に、元貴も若井も、さらに胸の高鳴りを感じる。しかし、涼ちゃんの次の言葉に、二人は思わず息を飲んだ。
「でもね…ごめん。僕、二人とも同じくらい大切で…どちらか一人を選ぶなんて、できないよ」
涼ちゃんの言葉に、元貴はショックで俯き、若井も顔色を変えた。選べない、ということは、つまり…どちらも選ばれないということなのか。
その時、沈黙を破ったのは、意外にも元貴だった。
「じゃあ…三人で、付き合うのは?」
元貴の突拍子もない提案に、若井と涼ちゃんは同時に顔を上げた。若井は驚きと同時に、「なんだそれ、そんなのありかよ…」と、半ば呆れたように呟く。
しかし、元貴は真剣な眼差しで涼ちゃんを見つめ続ける。
「涼ちゃんのこと、誰にも渡したくない。若井にも。でも、若井も涼ちゃんのことが好きなのはわかるし、僕も若井とはずっと一緒にいたい。だから…三人でなら、ずっと一緒にいられるんじゃないかなって」
元貴の言葉に、若井はハッとする。確かに、涼ちゃんを独り占めしたい気持ちはある。
だが、涼ちゃんの気持ちを考えれば、どちらかを選ぶことは酷なことだろう。
そして何より、涼ちゃんと元貴、二人とも手放したくないという気持ちも、若井の中にはあった。
若井は元貴の顔をじっと見つめた。そこには、真剣な覚悟と、どこか寂しそうな諦めのようなものが混じり合っていた。
「…三人で、か」
若井が呟くと、涼ちゃんが不安そうに二人を見る。
「それって…大丈夫なの?」
涼ちゃんの問いに、若井はふっと笑った。
「大丈夫に決まってるだろ、涼ちゃん。俺と元貴が、涼ちゃんのことを、全力で幸せにするから。元貴、いいな?」
若井に同意を求められ、元貴は勢いよく頷いた。
「うん!涼ちゃんを、世界で一番幸せにする!若井と協力して!」
二人の真っ直ぐな言葉と決意に、涼ちゃんは、これまで感じたことのない温かさが胸に広がるのを感じた。
「…うん。ありがとう、二人とも。これから、よろしくね」
涼ちゃんの優しい声に、元貴と若井は満面の笑みを浮かべた。
こうして、軽音楽部には、これまでにない、特別な三人組が誕生したのだった。
彼らの奏でる音楽が、これからもどんなメロディを紡いでいくのか、それはまだ誰も知らない。
だが、確かなのは、これからの彼らの日々が、きっと愛と音楽に満ちたものになるだろうということだ。
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