テラーノベル
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薄暗くも白い天井。透けたシルクにも似た天幕の付いたベッドなんて、映画かアニメでしか見たことが無い気がする。大きな窓のレースのカーテンの間から群青色と濃紺色と黒とが混ざり合う夜空が覗けた。月が出ているのだろうが俺の視界からはそれは見えない。だけど明かりだけは映えた。
「ん♡。はぁはぁ。……え?何でもないわ。んくっ♡。寝る前の…ストレッチを…しているだけ…よ?。…はぁはぁ。……それで?…ええ。送っておいて。んんんっ♡。あっ♡。…な、何でもないから。…おやすみ。んっ♡」
「…………。(いくらなんでも…ヤリ過ぎてるよなぁ。…これって…)」
低くなった月明かりが覗くその部屋は、円卓状の大きなベッドが据えられていた。とても肌ざわりの良い空色のシーツの上で、俺は仰向けになっている。空調がよく効いていて毛布さえいらない快適な寝室。その青い髪の美女は騎乗位になって、俺と深く繋がったまま誰かと電話で話していた。今も俺の睾丸の裏を伝い落ちる熱い液体。強烈な狭さが締め付けてくる。
「…はいはい。それじゃあ月曜日に。…んっく♡。はぁはぁ。…レオ君って意地悪ねぇ。んっ♡。はぁはぁ。…話してるのにぃビクンビクンするんだからぁ♡。…んあ♡…あっ♡。く♡。あたま…真っ白になってきたぁ♡」
「…これが華凛さんが言っていた『癒やし』って事で良いんですよね?」
「んっ♡。はぁはぁ。……そうね。ありがとう…応えてくれて♡。でも甘えてみるものね?まさか入れさせてくれるなんて♡。あ!?あっ♡ああ♡」
「…姉を見つけるためなら…何だってしますよ。…俺。」
汗の粒が目立ち始めたムラサキ警部の素肌。ぬちっぬちっと粘膜質で卑猥な水音とともに上下される張りの良いお尻と撓る薄い腹。彼女は俺の胸板に熱を帯びた両手を置いて、じっくりと味わうように、その妖艶な身体を髪と共に揺らしている。斜に差し込んだ淡い月光に照らされる白い乳房と曲線美。いつまでも見ていられる。やがて女は喘ぎながら身を震わせた。
「んあっ♡。はぁはぁ。…姉の為なら…か。ちょっと妬けちゃうわね。でも…んんんっ♡忘れ…ないで?。はぁはぁ…アタシも…もう他人じゃなくなったのよ?。…んっあ♡んっ♡あはぁ♡。はぁはぁ…離さないんだから♡」
「…これはギブ・アンド・テイクのはず…あ。…その先も含みってこと?」
「んふふふぅ♪。さすがレオ君♡ご明察♪。あっ!?あん♡。…またビクンってしたぁ。…はぁはぁ…アタシの中…気持ちいい?。…んんっ♡ん♡」
「…ええ、腰が引けるくらい…気持ちいいです。(…これは文字通り『ハメられた』らしい。もしもねぇちゃんにバレたなら。…あ。おあいこか?)」
薄くなってゆく月明かりが映し出す紫華凛の裸体は…とても美しい。健康的に白い肌に汗をかいて、細い首筋から華奢な肩先には光の雫が伝っている。程よい大きさの美乳と切れ込んだ括れの曲線に沿って、月光が素肌を輝かせていた。こんな比較は良くないと分かっているのだが…いまの彼女は愛する義姉に勝るとも劣らない。それは窮屈すぎる膣の感触も含めて…
「…この雑居ビルで間違いないんだけど。変ねぇ、風俗店ばかりだし…」
「時間的に…ぜんぶ閉店してますね。…あれ?ムラサキさん?。なにを?」
「…闇営業してるケースもあるのよねぇ。…耳を澄ましてみて?音楽とか聞こえない?。…ボリュームを抑えている筈だから……さあ、探すわよ?」
彼女の運転する車で深夜の歓楽街に出た。誰かからスマホに送られてきたマップデータを開いて矢印の位置を確認すると、その小さなクルマは小回り良く路地に入る。降りたムラサキさんの後を追いながらたどり着いたのはネオンの消えた雑居ビルだ。しかしその5階建ての建物は全て風俗店で埋まっている。そしてそこは姉のスマホの電源が切れた場所でもあった。
オレは彼女の指示で慎重に、1階の店舗から虱潰しに調べ始める。そっとドアに耳を着けて店内の様子を探るのだが、やはり何も聞こえてこない。二階から三階へと移動して同じ様に一軒ずつ調べていると、ようやく四階の角部屋から何かが聴こえた。俺は後方にいるムラサキさんに合図する。
「……よぉく見てねぇ?店長さん。…この女の子に見覚えないかなぁ?」
「…あ。あの刑事さん?。き、協力したら見逃してくれるんですよね?」
「そう約束したわよぉ?。う〜ん…店長さんが見覚えないのならぁ女の子たちに聞いてみてくれない?。真剣に応えないと…後悔するかもよぉ?」
「ひっ!?。わっ!分かりました!。……み、ミチルさん、みちるさん♪フロントサンキューです♪。…かなサン、カナさん♪3番フォローで……」
唯一営業していた風俗店。そのドアの前で俺は待ち続けている。ムラサキ警部の指示に従って店内には入っていない。しかし何かあれば突入するつもりだ。こうゆうお店と人身売買の違いに悩みもするのだが興味はない。金で買える快楽には必ず裏があるのだ。博打しかり薬物しかり女しかり…
「あ?なにがよ?。……画像データは?。……うん、そう。……さっき送った女の子。身長は154センチよ?。……そう。……時間帯が絞られてるから手当たり次第で。……そう。……宿直ヒマだってボヤいてたから頼んだんでしょう?ちゃんとやんなさいよ?。………あー?それセクハラだわぁ…」
「………。(部下と話してんのかな?。かなり当たりがキツイけど…)」
現在の時刻、午前六時四十二分。すっかり夜が明けてしまった。そして次第に車通りも多くなってくる。あの風俗店ばかりのビルで得た情報としては、女の子が危害を加えられたような騒ぎはなく、至って平穏だったとゆうこと。そしてムラサキ警部の情報考察だと…姉は単独だったと告げる。
深夜の歓楽街を複数人で移動する女子は声をかけられやすく、逆に一人だと同業者だと思われて声を掛けられにくいらしい。全てがそうとは限らないが業界の慣習だそうだ。そして週末の深夜は男性への客引きも多いので素人の女子は尚更スルーされがちになるらしい。歓楽街は実に奥が深い。
「は〜い、よろしくね?。……ん?。ああ、わたしはこれからデートだから♡ざんねーん。……はぁ。ごめんねぇレオ君。今日はここまでみたい。あ。でも…防犯カメラのデータを昼間に集めて探させるからもう少し時間をちょうだい?今日中にはぜったいに見つけるから。ね?。え〜っと…」
「…華凛さん。もう充分ですよ。…あっちこっち探してもらった上に、こんなにも振り回してしまって…すみませんでした。…俺、1回…家に帰ってみます。…カリンさんも寝てないんだから部屋に帰って休んで下さい…」
駅前付近やメインストリートが見渡せる少し離れた小高い堤防沿い。日曜日だとゆうのに太陽が高くなる毎に町の交通量も増え始める。と同時に、行楽目的であろう家族連れが駅へと向かっていた。何かしらのスポーツ集団だろうか?坊主頭な学生たちを乗せた路線バスも目立ってくる。街が活動を始めたらしい。こんなに沢山な人間はどこから湧いてくるのだろう?
「……はぁ。刑事として情けないわ。たった一人の女の子も見つけられないなんて。……取り敢えずレオ君のお家まで送ってあげる。…また連絡するから今日は休んでね?。…夜に連れ回すかもだけど…つきあってくれる?」
「ええ。必ず付き合いますよ。…華凛さん…今日は本当にありがとうございました。…お陰で希望が持てた気がします。…お?。おおおおーっ!?」
俺達を乗せたそのコンパクトな自動車は、まるでウイリーするように発進した。まさにアニメのワンシーンのように派手にジャンプすると、堤防沿いの大きな車道へと合流する。タイヤの悲鳴を残して町外れへと伸びる県道方面へと向かった。どうやら俺を家まで送り届けてくれる気らしい。
流石に優秀な刑事さんだ。隙を見て俺の免許証をチェックしたのだろう。俺がアルバイトに向かう時に使う入り組んだ道を、彼女は間違うことなく辿ってゆく。高校を14歳で卒業し、警察大学を2年ほどで終業した超のつく天才だ。この街の区画や住所など全て記憶しているのかも知れない。
「ありがとうございました、カリンさん。…それじゃ……んむぐっ?」
「んんんんー。ちゅぱ♡。必ず連絡するからね?。それと…これっきりなんて絶対にイヤなんだからね?。…また…会ってね?。絶対だからね?」
「……はい。絶対に会いますよ。…んむっ?。んちゅ。…それじゃまた。」
「ん♡。また夕方くらいに連絡するから。それじゃ、おやすみなさい♡」
俺の家の前。助手席のドアを開けた途端にキスされて、別れの挨拶の途中でキスされた。とても情熱的な女性なのはベッドの上で思い知らされている。そして口で言っているほど軽くはない女だとゆう事も。何となくだが姉に告白された時を思い出した。あの時も彼女の情熱に気圧されたのを覚えている。なし崩しにお風呂場で押し倒されて…キスされて……あっと言う間に繋がってしまった。苦悶の表情でも嬉しそうだった姉が今も恋しい。
「あー!モロに朝帰りー!。レオはいつからそんなに悪い子になったのよー!?。まっ?まさか!かのえちゃんに口説かれたの!?。むぅーっ!」
「へ?。………ね…姉ちゃん……だよな?。……いつ…帰ったの……?」
「大学の友達んちに泊まったの。その友達にスマホ借りて電話したけど全然呼び出さないのよね?レオのスマホ。登録番号以外拒否してるでしょ。DMも打てないし困ったわよ。ほら見て?スマホ落とした上にヒールで踏んじゃったのよ。めちゃ悲惨でしょお?。今日、新しいの買いに行くから付き合ってよね?。…あ。バイクはぁ?お店に置いてきちゃったのお?」
「あ…ああ。…ねーちゃん。…なんともないんだよな?。なにか酷い目に遭ったとか…ないんだよな?。あったら言ってくれ。俺が…姉ちゃん?」
ダイニングに入るなり炸裂した姉のマシンガントークに俺の心は跳ねる。何にも考えられずに玄関を上がった。この家に戻ればまた孤独になる。そう思っていたところにコロコロとした可愛い声が飛び込んできた。それは俺が一番聞きたかった声で、一番に聞き慣れている声だった。何ごとも無かったように手招く姉さんの笑顔に思わず涙が溢れる。嗚咽が出そうだ。
「………う。女の匂いがする。…あたしは何にもないけど…レオはあったみたいねぇ?。…浮気したでしょ?。…むーっ!お風呂に入るわよおっ!」
「え!?あ!。ね!ねーちゃんっ!?。わっ!じ!自分で脱ぐから!?」
赤みがかったシャギーボブなサラサラ髪を逆立てながら、彼女は俺のベルトに手をかける。艶の走る白い頬と細い首筋。上目使いに見る大きな猫目がちの、赤茶色な瞳に吸い込まれそうだ。ぷるんとした控え目な唇と、黒いワンピース越しにぷるんと主張する乳房の形が生々しくてエロすぎる!
「だーめ!。浮気したんなら全身洗わせなさいっ!。おねーちゃんは匂いで分かるんだからねっ!?。それと!お風呂の後はたくさんぬぷぬぷするわよっ?。おねーちゃんのエッチな匂いでマーキングするんだからっ!」
「えっ!?わっ?ねーちゃん!?いきなり咥えっ!?。あっ?あああ!」
ほとんど抵抗できなかった。ものの数秒で全裸にされた俺の股間に姉は迷わず吸い付く。そのぬちりとした柔らかい唇と舌との絶妙な連動と、軽く前後する彼女の頭頂部。その快感と感動で俺のは秒で勃起してしまった。
「んぷちゅ♡。あれ?浮気してきたはずなのに…こんなに鬼起ちしてる。もしかして…おねぇちゃんの勘違いだったのぉ?。お詫びの印にたぁくさん頑張るからねぇ♡。…ほらほらぁ?お風呂場でイチャイチャしよぉ?」
俺の全てをサラッと見透かす、獅子神桃華とゆう美少女ふうの成人女性。寝間着にしている俺の黒いティーシャツの双丘に、控え目な乳首が突出してて眼のやり場に困ってしまった。そこに抱き着いてくる姉の弾力と良い香りに、節操のない俺の欲棒は最大に狂暴化してしまう。こうなると逆らえないのが惚れている者の弱さだ。彼女に促されるまま浴室に向かった。
「んふふぅ♡。…ん?。レオ、眠いのね。…少し寝てから出かけようか。」
「ああ。…そうしてくれると助かるよ。(姉ちゃん…今日も可愛いなぁ。疑ったりしてごめんなさい。…桃華ちゃん…愛してます。大好きですっ!)」
愛しているとはっきりと言える女性を胸に抱ける嬉しさは、やはり何物にも変えがたかった。よく無くしてから、その無くした者の存在の大きさに気づくとゆうが、今が正にその通りだ。広くはない湯船の中で向かい合って俺に身を預けてくる義姉の存在は、やはり果てしなく大きかった。あんなに悲しい憶測や…妄想や被害者意識は恋心を腐らせると初めて知った。
今も嬉しそうに甘えてくれる最愛の女性を、俺はもっと大切にしなければきっと後悔する。とても可愛くて、とても美しくて、とてもどスケベな俺の義理の姉。彼女と暮らし始めてから俺は、他人を信じられるようになった。弱かった自分を認め強くなる為に今も鍛えている。護りたいからだ。
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