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リョウカ視点
夢の中
あれ?
ここ…どこだろう
真っ暗だ
「誰かいませんかー?」
そんなことを言ったって声が響くだけだ
「なんで…」
誰か…
怖いよ…
涙が頬を伝う
僕は、独り…
『リョウカっ!』
誰…?
『リョウカっ!!』
誰かが僕を呼んでる…
この声…ワカイ様…?
なんで…
『リョウカっ!!!』
急に視界が揺れ僕のことを呼ぶ声に吸い込まれた
「う…」
ゆっくりと重たい瞼を開ける
そこに広がったのは真っ白の天井
「リョウカっ!?」
横からワカイ様の焦った声がする
慌てて起き上がる
「ちょっ、まだ安静に…」
ワカイ様が慌てたように言う
それより…
「あの…小さい子供…いませんでしたか?」
ワカイ様が「あぁ」と頷くと
「モトキ、リョウカが呼んでるぞ」
と端っこにいた少年に声をかける
確かにさっきぶつかってきた男の子だ
「あ…さっきの…」
むすっとした表情で近づいてくると
「悪かった」
と一言
それはぶつかってきたことか
それよりなんで急に走ってきたんだろう
その質問をするより先にワカイ様の口が開く
「こいつはモトキ、俺の弟だ」
「え〝っ!?」
弟っ!?
全然似てないっ!
そして身長が小さいっ!
「おい、お前今身長が小さいって思っただろ」
なっ!
心を読まれたっ!?
「俺、一応20歳超えてるから」
「えっ!?」
そのことに一番びっくり
「なんでそんなに驚いてんだよ」
あ、でもちょっと目つき悪いところとか似てるかも…?
「俺は許してないけどなモトキ?」
ワカイ様が口を開け言葉を放つ
「んー、じゃあなっ!」
モトキ様が走って部屋のドアから出ていく
ひょえ…
部屋には僕とワカイ様だけ
沈黙が空間を流れる
気まずい…
どうしよう
なんて話しかければ…
「リョウカ」
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