テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
20
その日の夜。
家に帰ってご飯を食べて、お風呂に入って。
やることはいつもと同じなのに、気持ちは全然落ち着かなかった。
スマホが震える。
案の定、彼からだった。
pr『映画なに観る?』
まだ数日ある。
なのにもう考えてる。
思わず笑いながら返信する。
ak『気が早い』
するとすぐに既読がつく。
pr『しゃーないやん』
pr『楽しみすぎる』
ベッドの上で転がりながらやり取りを続ける。
pr『朝何時集合?』
ak『まだ決まってない』
pr『服どうしよ』
ak『まだ決まってない』
pr『昼ごはんどこで食う?』
ak『まだ決まってない』
数秒後。
pr『全部まだ決まってへんやん』
ak『先に聞いたのそっちだけど』
彼から笑っているスタンプが送られてくる。
しばらくそんなやり取りを続けていると、
急にメッセージが途切れた。
数十秒後。
pr『なぁ』
少しだけ真面目な一文。
ak『ん?』
送る。
返信が来るまでの数秒が妙に長く感じた。
そして。
pr『初めてやねん』
短いメッセージ。
ak『なにが?』
pr『こういうん』
意味はすぐ分かった。
誰かと二人で出かけること。
好きな人と予定を立てること。
そういう全部。
画面を見ながら少し考える。
ak『俺も』
送信。
しばらく既読がついたまま返事が来ない。
変なこと言ったかなと思った頃。
pr『よかった』
やっと返ってきた。
その一言が妙に優しかった。
pr『なんか安心した』
続けて送られてくる。
胸の奥がじんわり温かくなる。
pr『失敗しても許してな』
ak『何を失敗するの』
pr『緊張して変なこと言うかもしれへん』
ak『いつも言ってる』
pr『それはそう』
吹き出してしまう。
しばらくして時計を見ると、もう結構遅い時間だった。
ak『そろそろ寝る』
送る。
すると。
pr『もう?』
ak『もう』
pr『寂しい』
即答。
本当に素直だなと思う。
ak『また明日会える』
pr『知っとる』
ak『じゃあ寝なさい』
少し間が空く。
それから最後に。
pr『おやすみ』
pr『夢に出てきて』
そのメッセージを見た瞬間、思わず枕に顔を埋めた。
心臓がうるさい。
数秒悩んでから、
ak『おやすみ』
だけ送る。
すると彼から。
pr『照れとる』
という追撃が届いた。
その夜は、寝るまでずっと顔が熱かった。
コメント
1件
第32話、読んだ読んだ!!😭💕 もうね、ふたりの初々しさがありえないくらい尊い……「夢に出てきて」って送るとこ、反則級のキュンだよ!!!それに対して照れて「おやすみ」だけ返す主人公も可愛すぎるし、追撃の「照れとる」で完全にやられた……笑 デート前のこういう何気ないLINEのやりとりが、逆に一番エモいんだよなあ。お互い“初めて”って告白し合うところ、胸がじんわり温かくなったよ🥺💕次週のデート本番、絶対見逃せない!!🌸