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「――ってなわけで近藤さん、この粗大ゴミ、一時的に万事屋で預からせてもらうわ」
「え!? あ、おい万事屋! 預かるって、トシをどうするつもりだァァァ!?」
「旦那、しっかり可愛がって、再起不能にしてやってくだせィ」
背後で叫ぶゴリラと、嬉しそうにバズーカを下ろすサドを無視して、俺はトッシーの手首を掴んだまま、引きずるようにして屯所を後にした。
「ひええええ! 拙者、ドナドナされる子牛の気分でござる! 坂田氏、一体拙者をどこへ連れていく気でござるかー!?」
「うるせー、黙ってついて来い。ウチで溜まった『ツケ』を払ってもらうだけだよ」
万事屋に帰り着くと、幸いなことに新八と神楽は買い出しに出かけていて留守だった。
絶好のチャンス、神様仏様甘味の神様ありがとう。
ガラガラッと玄関の鍵を閉め、トッシーをリビングのソファに押し倒すように座らせる。
「ひゃんっ!? な、何をするでござるか! 拙者、こう見えても二次元の純潔を守る男……」
「まだ言ってんのか、お前は」
俺はソファに両手をつき、トッシーを完全に閉じ込める形で覆いかぶさった。
逃げ場をなくしたトッシーが、ひっと息を呑む。
顔が、昨日よりも、さっきよりも、ずっと赤い。
「……ぎ、坂田氏、顔が近いでござる……。そんな目で拙者を見つめられると、その、拙者の中の心臓が、バックバクの限界突破を迎えそうで……」
「いいぜ、そのまま壊れちゃえよ」
俺は容赦なく顔を近づけ、あいつの唇を奪った。
「んむっ……!?」
トッシーの目が驚きで大きく見開かれる。
最初は抵抗しようと俺の胸を両手で押し返してきたが、そんなオタクの力じゃ、俺の腕力には敵うはずもない。
俺はあいつの両手首を片手で掴み上げ、頭の上に固定した。
「ん、……っ、ふ、あ……」
深く、深く、あいつの口内を蹂躙していく。
昨日からずっと、俺の体が、記憶が、求めていたあいつの体温。
舌を絡ませ、吸い上げるたびに、トッシーの体から力が抜けていくのがわかった。
そして――。
「……ぁ、……ん、はァ……っ」
唇が離れた瞬間、あいつの口から漏れたのは、トッシーの情けない悲鳴ではなかった。
熱っぽく、潤んだ切れ長の目が、まっすぐに俺を射抜く。
その瞳には、さっきまでのヘタレなオタクの影はどこにもなかった。
「……てめェ、……万事屋……っ」
低く、掠れた、だけど確かにプライドの高そうな、俺の愛しい恋人の声。
「お、多串くん? 戻ってきた?」
「誰が多串くんだ、ぶち殺すぞ……っ」
土方は顔を耳まで真っ赤に染めながら、掴まれていた手首を振り払い、自分の口元を腕で隠した。
いつもの、強気で、ツンツンしていて、でも俺のキスにめちゃくちゃ動揺している、大好きな土方だ。
「……おい、なんで俺が、万事屋のソファでてめェに押し倒されてんだ。俺はさっきまで屯所で、近藤さんと……」
「あー、やっぱりトッシー の間の記憶はねーんだ? お前さ、昨日からさっきまで、完全にあっちの人格に入れ替わってたんだよ。妖刀の呪いかなんかでさ」
「はぁ!? 冗談言ってんじゃねェ!」
土方は声を荒らげたが、自分の服装と、部屋に転がっているフィギュアを見て、絶望したように顔を引きつらせた。
「嘘、だろ……。俺はまた、あいつに……」
「まぁ、落ち込むなって。トッシーのおかげで、お前の可愛い『本音』、たっぷり聞かせてもらったしな」
「……本音、だと?」
土方が怪訝そうに眉をひそめる。
「『坂田氏に嫌われたくないでござる』だってさ。普段ツンツンしてるくせに、中身がオタクになった途端、俺に嫌われるのが怖くて泣きそうになってたぜ、お前」
「なっ……!! んな、わけ、ねぇだろ、誰がてめェなんか……っ!」
一瞬で顔を爆発させたように真っ赤にして、土方は俺を突き飛ばそうと暴れ出した。
プライドをへし折られた鬼の副長は、必死にツンツンモードで武装しようとしている。
だけど、俺がその細い腰をぐっと引き寄せ、耳元に息を吹きかけると、あいつの動きがピタリと止まった。
「嘘じゃないね。お前の中にいるトシが、俺に『優しくして』って言ってたんだよ。……だからさ、その願い、今からちゃーんと叶えてやるよ」
「っ、……よろ、ずや……てめ、離……」
「離さねーよ。付き合って一ヶ月の記念日、昨日トッシーのせいで台無しにされたんだ。その分のツケ、今からたっぷり、お前のその高いプライドがクシャクシャに溶けるまで、払ってもらうからな」
俺はあいつの隊服のズボンのベルトに手をかけた。
「あ……、待て、ここで、は……っ」
強気な目を潤ませながらも、俺の首筋にそっと腕を回してくる土方。
やっぱり、この不器用なデレが、俺にとっては一番の糖分だ。
新八たちが帰ってくるまでの数時間。
俺は一ヶ月分の愛を込めて、戻ってきた俺の恋人を、思う存分可愛がってやったのだった。
コメント
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第4話読んだ!トッシーと土方の人格切り替わり、キスで戻る瞬間の温度差がエモすぎる…「お、多串くん?戻ってきた?」からの土方の照れ隠し、最高だったわ。普段バトルしか読まないんだけど、こういう糖度高めなのもいいなって思えた。続きも楽しみにしてる🔥