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ごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめん(((((
——投票の結果が、告げられたのは静寂の中だった。
「……え?」
トオルが、最初に声を上げた。
「え、ちょ、待って……え? マジで?」
「投票による脱落者が、確定しました」
「……“闇灯 白”。あなたはこの章をもって、人格評価より除外されます」
白は、静かに目を閉じた。
「……やっぱりな」
「ちょっと待てよ!!」トオルが叫んだ。
「なんで!? 一番強かったじゃん!? てか、最初に死ぬタイプじゃないだろ、構造的に!!」
「……それが、“構造”だったんだろ」
白は背中の黒刀に手を添えたが、抜かなかった。
「読者は、俺を“見送る”側に選んだ。なら、従うまでだ」
「やだよっ!!」
ととが、悲鳴のような声を上げた。
「だって、白くんいなくなったら……うちら、マジでやばくない!? 誰が戦うの!? ねぇ!?」
蕾も、拳を握っている。
感情を表に出すことのない彼女の、明確な怒り。
「……ふざけてる」
「そんなことで、死ぬの? 誰かの“気まぐれ”で?」
「気まぐれじゃないさ」
白が、微かに笑う。
「俺は、読者に何も与えなかった。強いだけで、何も語らなかった。……当然の報いだ」
そして彼は、最後にカナデに目を向けた。
「泣くなよ。お前が生きろ」
カナデは、返事もできず、ただ小さくうなずいた。
白が、ゆっくりと歩き出す。
誰も止めない。
誰も止められない。
「——最期に、一つだけ伝える」
彼は、壁の端末に手をかざし、何かのデータを転送した。
「この施設の“奥”に、何かがある。俺はそれを見た。お前たちだけでも、たどり着け」
そして、黒刀は床に落ちた。
刃は光を失い、漆黒はただの“金属”になった。
その瞬間、彼の姿は——霧のように、ゆっくりと消えていった。
「……!」
ととは、走り寄って手を伸ばすが、もうそこに彼はいなかった。
壁の表示が切り替わる。
——「闇灯 白」評価完了
——除外処理、正常終了
誰かが泣いた。
誰かが歯を食いしばった。
誰かが、見えない誰かを恨んだ。
「……一番、火が強かったのにさ」
トオルが呟いた。
「……火は、もう灯らない」
残された4人の足元に、ぽつんと黒い刀が転がっていた。