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2年前のあの日、クリスマスイブにあいつが死んだ。
最初で最後の親友かもしれないあいつ。
優しくて、かっこよくて、人気があって、でも、時にはダサかったけど、オレにとっては英雄的存在だったあいつ。
犯人は捕まった。ボロアパートの4階の部屋で絞殺されていた。妬ましいからの理由であいつを殺した。
────そんな事で?
人間は皆そんな事でも傷付ける。心も体もボロボロになったら、後はスクラップのロボット。
犯人は5人。逃走者は1人。その4人はオレの元友達。訳アリで自ら縁を切った。だってゴミじゃん?居場所を無くしたあの4人に、オレは居場所を与えた。思い通りに踊らさせられている道化達も必死。勿論オレも必死。
少し硬いソファーに座り、リストをじっくり見る。ハンバーグを食べながら時にはパソコンで名前を打ち込む。今日はやけに人が多いと、ため息を吐くと、テレビの音声で我に返った。いつもいつも、同じニュースを流す。指名手配のある男を2年間ずっと捜索しているが、未だに見つかっていない。
「バカな警察」
目の前には手足を縛られている人。
今からオレが植物にしないといけない。
あの時もだよ。
2年前のクリスマスイブに死んだあいつも。
こいつらも みんな…みんな。オレが殺す。
オレは一度、優しくなくて、カッコ悪くて、人気がなくて、いつもダサいあいつが、大切なオレの心を殺した。これは全て、あの憎たらしいあいつが悪い。
「あぁ、オレ、今もまだ、あんな奴に、踴らされてんのかな…」
これはアレだ。生き方を間違って、居場所が無く、死んでも踊らされる道化だ。
地獄に逝こうが天国に逝こうが、たぶん、あいつが着いてくる。
やっぱ、人間と日々を過ごすのは苦痛だ。
「 オレなんか 」
ボロアパートの4階で、大きく銃声が鳴り響いた。