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⚠️注意⚠️

・びーえるではありません 

 ・戦争ネタ!グロ表現注意

・死ネタ

🐰と💎が主役

〜〜〜〜〜

🐰視点


💎「ねぇねぇ、しょーちゃんっ」

 

いつもの明るい声が響く

…いつもに増して、その声が愛おしく感じる


周りは焼けただれ、建物は崩れている

下には人なのかすら分からない物が沢山

 

だからなのか、僕にはとても弟が輝いて見えた

 

今、町は爆撃で町とは思えなくなっている


周りには僕達と同じように親がいない子

爆撃で体の1部がなくなっている人

ハエが集っている人を抱きしめている人

呆然とただ立ち尽くしてる人

 

全員、昨日の爆撃のせいで

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜


昨日も、いつもと同じだった


💎「しょーちゃん!」

 


🐰「なぁに、いむくん」 

 


💎「おままごとしよー!」


 

🐰「ええで、いむくんなに作りたい?」

 

 

💎「んっとね〜!」 

 

 

母「初兎、いつもごめんねぇ、弟の世話ばかりさせて」

 

 

🐰「気にせんでええよ!最近戦争が始まって、暇やったし」

 

戦争が始まった

そのことは分かってはいた

ただ、初めてのことだったのもあり

僕はそこまで考えていなかった

戦争を甘く見てしまっていた

  

きっと、爆撃が来ても、僕らは大丈夫


 

 

夜、母の慌てた声で目が覚めた

 

それは悲鳴にも近かった


近くに爆撃が落ちたらしい

 

警報がなっている

 

あたりの音が大きすぎて


もはや、何もなっていないようにも聞こえた

 

 

はっ、として、初めて耳に入った音は

 

弟の泣き声だった

 

 

💎「ッ、ぅあぁ’“ぁ”ッッ しょ”ーちゃ”ッ」

 

🐰「ッ、いむくん、落ちついてッ」

 

 

驚きすぎて、予想以上すぎて

 

本当に現実だと思えなくて

 

他人事のようにしか考えられなかった

 

 

母が食料を集めている間にも、爆撃音がする 

玄関先で待っていた僕らに、兵士のおじさんが 

 

にげろッ”

 

っと、叫びながら言っていたのが怖くて

怖くて

 

僕は弟を抱えて走った、

母を待たずに

 

走って

走って

はしって… 

はしって……. 

 

走っているのかすらよく分からなくて

お祭りみたいに周りが明るくて、暗くて

うるさくて、歓喜のような、悲鳴のような


声がずっと耳に木霊していた

 

足が止まった頃には、もう周りに人が居なくて

暗くて、足が動かなくて、ボロボロで

 

弟は泣いていたことにも気づかなかった


 

 



〜〜〜


ぼんやりと昨日のことを考えていた


いまでも信じられない

 

💎「しょーちゃんっ!!」 


🐰「ぅわッ…な、なんや?」


 💎「ずっとよんでたのにっ…」

    「もうみんないっちゃったよ?」

 

🐰「ぁえ….そんな経っちゃった?」

 

💎「おなかへったぁー!」

 

食べ物…

どこで手に入れれば… 


🐰「…配給…は、いつやろ」

 

💎「しょーちゃんっ..グスッ」

 

あぁ、ぐずり始めたか

まぁ、仕方ないよな、まだ4歳だもん

仕方ないなぁ 

 

🐰「はい、これ」

 

💎「!わぁ、くっきーだぁ!」

 

大事なときのために取っとこうって思ったけど、仕方ないか

 

💎「ん…!はんぶんこ!」

 

🐰「ぇ…いやっ、いむくん食べてええよ!」

 

💎「?だって、しょーちゃんおなかいっぱいなってるよぉ?」

 

🐰「….っ、気にしんくてええよ?」

 

💎「むぅ…..たべてっ!」

 

🐰「んむぅッ!?」

 

無理やり押し込まれるなんて…

…成長したな、あんなに小さかったのに



💎「んふ、しょーちゃんもたべないとだよっ」



🐰「…ッ、おん!ニパ」

 

あたりが暗くなり始める

 

防空壕…なんて贅沢なものはないから 

どこか、隠れられるような場所

 

どこか… 

 

 

〜〜〜


💎「ねぇ、しょーちゃん、ここどこぉ?」


 

🐰「うーん…どこやろなぁ」

 

 

母が前、大事な着物や食料を渡し、親戚に疎開を頼んでいたのを思い出した

 

きっと、受け入れてくれる、はず

 


コンコン

親戚「…なんだい?」

「って、あの女の子供か…」


🐰「あの、少しだけ泊めて貰えませんか?」

 

親戚「はっ…やだねぇ笑」 

「なんのを関わりもない子供なんて」 


🐰「だ、だって、母さんが着物や食料をッ」

 

親戚「もう底を尽きたし、着物も売った」

「あんなんで泊まらせるなんて、冗談だよ笑」


🐰「ッ…せ、せめて、弟だけでもッ」

 

親戚「はぁ、うるさいガキだねぇ..」

「無理なもんは無理ッ」


🐰「ッ….」


💎「しょーちゃ…?」

 

自分でも震えてるのが分かる

別に泣きたいわけじゃない

なんで、なんで 

母が必死に頭を下げているのを見たからか 

怒りしか湧いてこなかった

 

🐰「…いむくん、いくで」

 

💎「えっ、どこに?」

 

🐰「…遠くに」

 

 

 

 



 

 

〜〜

当たりは暗く染まっている

上には満面の星がある 

 

💎「みてみてーっ!おほしさまだぁっ!」


….ッ

あんなに健気だと、逆に悲しくなってくる

 

💎「….ね、みてっ!」

 

 

一段と声が大きくなる

 

 

💎「おっきぃおほしさまがおちてきてる!」

 

 

🐰「は…?」

 

上を見上げた


まさに、   “それ”    だった 

 

 

🐰「ッ、原爆…ッ?」

 

 

最悪の状況で 

 

最後に見た君の顔は

 

とても 







とても 

輝いていた






悲しいほどに

純粋だった 


 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜

目が覚めたら

病院だった 



身体中痛い

 

 

隣に顔を向ければ


いつもの見慣れた水色と紫のグラデーションの髪が

 

 

隣のベットに横たわってた

 

 

 

手が

ぷらん 、と 

たれる

 

 

 

🐰「        ッ」

 

 

 

分かる

分かりたくない

分からないでいたかった

でも 

分かる

 

 



弟は

 

 

 

 

 

でも、大丈夫

 

 

 

 

 

 

僕は、身体中に着いていた包帯をとり、 

 

 

 

 

点滴を、一気に抜いた

この作品はいかがでしたか?

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