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「もうすぐ、全ての課題が終わったので、最終訓練を始めましょう」
炭治郎達より後に参加した隊士たち以外の隊士が全員集められた。
最終訓練?
何をするのだろう。
「あの山に2日間籠ること。獣はたくさんいるから気をつけて。マムシに刺されないようにね」
裏にある山を指差しながら、ニッコリと落ち着いた雰囲気で話すキョウ。
それを前に隊士達は怯えている。
なんせ、これまでも無謀な稽古ばかりだったからだ。
この柱は後、何を持ち合わせているのだろうか。
弱く無いだろうから奥の手を持っているはずだ。
そんなことは考えたく無いけど。
「うーん。物足りないなあ……」
「よし!私も参加しちゃおうかな」
「今からやる課題は、今までの柱稽古の全てが試される……つまりこれはそれの試験みたいなものです」
「私は、見張りながら攻撃します。常に神経を研ぎ澄ませることが大切です」
「協力分担は良しとしましょう。では、どうぞこちらへ」
そう言って山の中に皆を案内するキョウ。
相変わらず敬語でおとなしい。
「フン!これなら楽勝だぜ!」
「お前はそうだよな!?山育ちだもんな!?」
善逸がうるさい。
伊之助はどこいった?
はやいなあ。
「ごめん善逸。俺も一応山育ちなんだ」
「この!裏切り者ぉ!」
「痛い!」
「広いなあ……」
ぼそっと呟く。
迷子になりそうだ。
善逸は、さっきから、何も言わず、黙々と歩いている。
相当落ち込んでるみたいだ。
何にかはいまいちハッキリとわからないけれど。
「……っ」
山に入って歩き始め、少しした時、異臭がした。
何なんだ。
まるで、血の混じったようなにおい……
「ねえ炭治郎。この山絶対おかしいよ」
善逸が不意にそう言う。
「なんか不気味な音がする」
そうだ。
善逸は耳がいいんだった。
善逸も異変を感じていたのか。
「だいぶ前かもだけど、何かあったんじゃない?」
その善逸の言葉を聞いた途端、空気が重く感じてくる。
「まさか…あ!」
斜め前の木の影で、誰かが座っていた。
「伊之助!こっちだ!」
「権八郎と紋逸じゃねえか!」
「だから善逸だって……」
伊之助は、こちらに駆けてくる。
刀をぶんぶん振り回しながら、あたりをキョロキョロ見回している。
「どうかしたのか?伊之助」
「この山なんか変だぜ」
急に真面目に落ち着いて言う伊之助。
「伊之助もそう思うか?」
「まあな!」
「ヤダヤダヤダァ!帰りたいいいい!」
遂に、伊之助もこの山は変だと言ったからなのか、善逸は急に帰りたがる。
この山は本当に一体なんなのだろう。