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錆の都送り

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錆の都送り

第15話 - 第15話　クソ上司

10

2024年11月03日

#ダークファンタジー

#錆

#黒蜜の賞金付きコンテスト

伊琉夏

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伊琉夏

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鋼谷は死の淵での苦闘を思い返しながら、かつての上司の姿を思い浮かべた。彼の名は高村。中堅のゴーストバスターとして、鋼谷が入社したての頃から厳しく指導してくれた男だ。初めての任務で彼に連れられたとき、鋼谷は手に汗をかいて緊張していた。

「おい、鋼谷！お前、そんな顔してると幽霊に食われるぞ！」

高村は豪快に笑いながら、霊具を持って堂々と構えていた。その背中は、まるで山のように頼もしかった。今となっては、彼がどれほど厳しかったかを思い出す。時には、鬼のように叱責され、時には大声で笑われた。そんな彼の言葉は、鋼谷の心の中にしっかりと刻まれていた。

「何があっても、自分の力を信じろ。幽霊はお前を恐れている。それを忘れるな。」

あの時、高村の言葉が彼を支え、彼を一人前のバスターに育ててくれた。今、彼の命が危険にさらされている。鋼谷は戦う意志を新たにし、仲間たちの声を心に刻み込んだ。

だが、彼の思いとは裏腹に、次第に暗闇が彼を包み込み、意識が薄れていった。そんな中、ふとした瞬間に耳にしたのは、轟音と共に響く強烈な声だった。

「おい、クソ野郎たち！どこに隠れてやがる！」

その声は、鋼谷が懐かしく思う高村のものだった。彼は怒りをこめて叫び、周囲の空気を揺らす。鋼谷は驚き、目を見開いた。

「高村…！」

彼の視線の先には、恐れを知らない強大な上司の姿があった。高村は一歩踏み出し、ラザルスの手下たちを一掃するかのように、鋼い武器を振るった。

「この野郎、幽霊なんて怖くねぇんだよ！」

高村の一撃は、鋼のように硬い霊具を軽々と振るい、無数の霊体を切り裂く。彼の姿は、まるで嵐のように暴れ回り、ラザルスの手下たちはその前に次々と消えていく。

「鋼谷、死ぬなよ！お前はまだ生きてるんだ！戦え！」

高村の声は、鋼谷の心に再び火を灯した。彼は意識を取り戻し、仲間たちの思いと高村の強さに背中を押される。高村の圧倒的な力は、鋼谷に新たな勇気を与えていた。

「俺も、やるぞ！」

鋼谷は再び立ち上がり、鉄鎖を握りしめる。彼の周囲には、高村の強さが映し出され、彼自身もその力を感じる。鋼谷は高村の後を追い、共にラザルスの手下たちに立ち向かう。

「お前たち、クソ上司をなめんなよ！」

高村は豪快に笑い、ラザルスの手下たちを次々と倒していく。鋼谷もその流れに乗り、鉄鎖を振るい、無数の霊体を切り裂く。二人のコンビネーションは完璧で、次々と敵を蹴散らしていった。

高村は一瞬の隙をついて、ラザルスの姿を見つける。彼は目を細め、にやりと笑った。

「おい、ラザルス！お前の時代は終わりだ！」

その声に呼応するかのように、鋼谷は鋼い決意を胸に秘め、ラザルスへと突進した。彼の心には高村の教えが響いている。今こそ、強く立ち上がる時だ。

「一緒に、決着をつけるぞ！」

高村と鋼谷の二人は、再び戦いの舞台へと飛び込んでいく。闇に立ち向かう二人の姿は、まさに伝説のようだった。強き者たちの戦いが、再び始まるのだった。