高村の圧倒的な力により、鋼谷は再び希望を取り戻した。彼は目の前に立つラザルスに向かい、全力で駆け出す。高村が前方に立ちはだかり、鋼谷の後ろから力強く背中を押す。二人は、まるで一つの存在のように調和し、恐れ知らずの進撃を続けた。
「お前の邪悪な計画は、ここで終わりだ!」
ラザルスは高村の叫びを聞き、微笑みを浮かべた。「お前たち、そんな簡単に俺を倒せると思っているのか? 骸教団は、ただの教団ではない。お前たちの思いを乗り越える力を持っている!」
その言葉を聞いた瞬間、鋼谷の心に炎が灯った。彼は自らの霊具「鉄鎖」を手に取り、強く握りしめた。
「俺たちの力は、仲間の思いだ! 君のような邪悪な者に、勝たせるわけにはいかない!」
その瞬間、鋼谷は鉄鎖を振りかざし、ラザルスに向けて渾身の力を込めた。鉄鎖は鋭くしなるように空気を切り裂き、まるで生き物のようにラザルスへ迫る。
高村は横から攻撃を仕掛ける。「行くぞ、鋼谷! お前の力を見せてやれ!」
鋼谷の心に高村の声が響く。彼は冷静さを保ちながら、すべての力を鉄鎖に込めた。その瞬間、鉄鎖が光り輝き、霊体の力を解放する。
「無敵の鎖よ、邪を断ち切れ!」
鋼谷の叫びと共に、鉄鎖はラザルスに向かって放たれた。激しい光が放たれ、周囲の空気が振動し、ラザルスの周囲に立つ骸教団の信者たちが怯える。彼らは、その強力な気配に圧倒され、身動きが取れなくなった。
「ま、待て! 何をするつもりだ!」ラザルスは動揺を隠せない。
「お前の全てを、終わらせる!」
鋼谷の鉄鎖は、まっすぐラザルスを捕らえ、彼の肉体に食い込んだ。ラザルスの悲鳴が響く。高村はその隙に、もう一度強烈な一撃を放つ。
「お前の邪教の終焉だ!」
その瞬間、鋼谷と高村の攻撃が重なり合い、ラザルスは爆発的な光に包まれる。骸教団の信者たちは恐れおののき、次々とその場から逃げ出す。ラザルスの声が混乱の中で消えていく。
「俺が…こんなことで…!」
その声が最後に響いた瞬間、光が闇を一掃し、骸教団の象徴が消え去った。鋼谷は膝をつく。周囲には、静けさが戻った。
高村は鋼谷の肩を叩き、笑顔を浮かべる。「やったな、鋼谷! これで骸教団は壊滅だ!」
鋼谷はその言葉を聞いて、ふと力が抜けた。彼は仲間たちの姿を思い浮かべ、感謝の気持ちが胸に湧き上がる。
「俺はどうなっていたか…」
高村は目を細め、苦笑いを浮かべた。「まあ、俺がいなくてもお前はやれる男だ。ただ、少し気が緩んでただけだろ?」
その言葉に、鋼谷は苦笑いを返した。「確かに、少しだけ…」
二人は、これからの未来を見つめながら、新たな決意を胸に抱く。彼らの戦いは終わったわけではない。新たな任務が待ち受けている。だが、今はただ静寂を味わい、勝利を祝う時だった。
「さて、次はどんな幽霊が待っているのかな?」高村が楽しげに問いかける。
「任せてください! 俺たちなら、どんな幽霊でもやっつけます!」鋼谷は意気込んで答えた。
そうして、彼らは新たな旅路へと足を踏み出していく。戦いの先に待つ未来へ向けて、彼らの冒険はまだ始まったばかりだった。
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