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ももは
廃工場・決戦の夜
(鉄と油の匂いが充満する廃工場。
ひび割れたコンクリートに、月明かりが淡く差し込む)
(その闇を――切り裂くように、“何か”が近づいてくる)
(人の形。だが歪んでいる)
(そして、現れる男――ゼノス)
(異様に長い刃を携え、静かに立つ)
公太
「……お前が、ゼノスか?」
ゼノス
「俺の名を知る者が、まだいたとはな」
(薄い笑み)
ゼノス
「……剣士の気配は感じていたが、ここまでとは。面白い」
(唯我が一歩、前に出る)
(静かに剣を抜く)
(その構えは、美しく、無駄がない)
唯我
「俺がやる」
公太
「いけるのかよ……?」
唯我
「こいつを斬らなきゃ、前に進めない」
(一祟、静かに見守る)
ゼノス
「“誇り”か……」
(剣を構える)
(刃先から、歪んだ光が滲む)
ゼノス
「試してやろう」
戦闘開始
(唯我、地を蹴る)
(――一閃)
(だが)
(ガキィィン!!)
(ゼノス、片手で受け止める)
(即座に反撃)
(火花が散る)
(空気が裂ける)
公太(小声)
「……重いな」
一祟
「技量だけではありません……何かが違う」
ゼノス
「強いな」
(間)
ゼノス
「だが――“迷い”がある」
(唯我、無言)
(だが瞳が揺れる)
ゼノス
「過去に縛られた剣だ」
唯我
「……!」
ゼノス
「守れなかった夜」
ゼノス
「倒れた仲間」
ゼノス
「お前は――何もできなかった」
唯我
「なぜ……それを……」
ゼノス(低く)
「同じ場所にいたからだ」
(空気が凍る)
唯我
「……何?」
公太
「どういうことだ」
ゼノス
「だが俺は違う」
ゼノス
「“誇り”ではなく――“力”を選んだ」
(黒紫のエネルギーが噴き出す)
(突進)
ゼノス
「誇りは脆い!!」
(ドンッ!!)
(唯我、押される)
(体勢が崩れる)
公太
「てめぇ!!」
(飛び出す)
(拳を振りかざす)
(しかし)
(スッ……)
(ゼノス、回避)
ゼノス
「怒りは、剣を鈍らせる」
(その言葉で)
(唯我の瞳が――変わる)
唯我
「……俺は……」
(立ち上がる)
唯我
「逃げるために剣を握ってるんじゃねぇ!」
唯我
「誓ったんだ……!」
唯我
「過去に!誇りに!」
唯我
「――お前を倒す!!」
(空気が震える)
(ゼノスの姿が“消える”)
(次の瞬間)
(目の前)
唯我
「ッ!?」
(防御)
(激突音)
(超高速の斬撃戦)
(火花、連続)
(床に亀裂)
(唯我、歯を食いしばる)
(心の声)
(重い……これが本物の殺意……!)
(反撃)
(横薙ぎ)
(回避される)
(背後から斬撃)
(しゃがんで回避)
(反転斬り)
(だが)
(膝蹴り)
唯我
「がはっ……!」
(吹き飛ぶ)
(鉄骨に激突)
ゼノス
「迷いは――死だ」
唯我
「……うるせぇ……!」
(立ち上がる)
(突進)
(連撃)
(青い光が剣に宿る)
(ザシュッ)
(ゼノスの頬、裂ける)
(血)
(だが――笑う)
ゼノス
「面白い」
ゼノス
「だが――甘い」
(闇を纏う刀)
(突進)
(ドォン!!)
(衝撃)
(剣が弾かれる)
(腹部に一撃)
唯我
「ぐっ……!」
(吹き飛ぶ)
(鉄柱に激突)
ゼノス
「誇りに縛られた者は、弱い」
(静寂)
唯我(かすれ声)
「……仲間のことを……言ったな……」
ゼノス(静かに)
「忘れるな」
ゼノス
「あの夜を」
唯我
「……お前……」
ゼノス
「俺もいた」
ゼノス
「“あの戦場”に」
(黒い空)
(焦げた血の匂い)
(記憶がよみがえる)
唯我(心の声)
(まさか……敵の中に……)
ゼノス
「俺は全て捨てた」
ゼノス
「誇りも、人間性も」
ゼノス
「生きるために斬った」
(剣が首元へ)
ゼノス
「……惜しいな」
ゼノス
「あと一歩だ」
(唯我、理解する)
(心の声)
(こいつ……試してる……)
ゼノス
「次は覚悟を持って来い」
ゼノス
「それがなければ――深淵は越えられない」
(空間が歪む)
(裂ける)
(ゼノス、消える)
(静寂)
(膝をつく唯我)
(血が落ちる)
(それでも剣は離さない)
唯我(心の声)
(ゼノス……お前は……)
(間)
(あの戦争の――)
(その時)
(空間が微かに震える)
(遠くで、ゼノスの気配)
ゼノス(声だけ)
「……撤退だ」
(完全消失)
(残されたのは、戦いの余韻だけだった)
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