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そあち♡໒꒱
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なんたろ
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第167話:身バレの脅迫〜暴露系配信者へのリーク〜
帯広の四畳半アパート。
静まり返った部屋の中に、けたたましい電子音が響き渡った。
ゲーミングチェアの上で跳ね起きた俺は、ディスプレイに表示された相手のネームタグを見て、一瞬で背筋が凍りついた。
『毒親父』。
世界で最も出たくない相手からの着信だ。
「……なんで今さら、親父から電話が……?」
悪寒に震える手で通話ボタンをスライドさせると、スピーカー越しに、あの聞き慣れた粘つくような声が鼓膜を刺した。
『やあ、雪。元気に四畳半で玄米を喰っているか?』
「……何の用だ。俺は今、会社の業務で忙しいんだ。くだらない屁理屈なら切るぞ」
俺は必死に声を張ったが、親父の低く歪んだ笑い声がそれを打ち消した。
『そう強がるな。陸別のコンビニで素晴らしい本を見つけてね。「憧れるだけで何者にもなれなかった40歳ニート〜」……実に面白い「フィクション」だったよ。まあ、主人公のモデルがお前であることは、親の俺には一目で分かったがね』
「っ……!?」
心臓が跳ね上がった。
冷や汗がダラダラと額から溢れ出し、畳の上に落ちる。
『元自衛官、介護士崩れ、生活保護の過去、帯広の四畳半アパート、そして猫のヨモ……。言い逃れは不可能だな。お前は自分の醜態を切り売りして、世間から投げ銭を集めていたわけだ』
「それがどうした! 俺は自分の力で会社を立ち上げ、法人の代表としてまっとうに稼いでるんだ! お前に文句を言われる筋合いはない!」
『まっとう、かね?』
親父のトーンが、急速に冷たく、邪悪なものへと変わった。
『お前が演じている「新進気鋭のVTuber事務所社長」というブランディング……それが「帯広のボロアパートで四畳半生活を送る、アラフォーのしがないおっさん」だと世間に知られたら、どうなると思う?』
「な……何を言ってる……?」
『市場経済において「夢」や「幻想」を売る商売は、実態の露呈にすこぶる弱い。特に今のネット社会には、そういった「嘘」を暴いて面白がる文化が存在する。……そう、いわゆる「暴露系VTuber」というやつだ』
親父の言葉の意味を理解した瞬間、全身の血が引いていく感覚がした。
暴露系配信者。
ひとたびターゲットにされれば、根も葉もない噂や個人情報が拡散され、瞬く間に炎上の炎に包まれる現代の処刑台。
『俺の知り合いのツテを辿れば、大手の暴露系配信者に情報を持ち込むことなど造作もない。お前の本名、昔の経歴、帯広のアパートの場所、そして現実の惨めな生活風景……写真付きでタレこんでやろうか?』
「お前……親が息子の足を引っ張って、何が楽しいんだよ!!」
『足を引っ張る? 違うな、これは「富の再分配」だ』
親父は平然と、己の歪んだ正義を宣った。
『親族間には民法上の扶養義務が存在する。社会のセーフティネットが機能不全を起こしている以上、成功した身内から余剰資金を回収するのは、合理的な経済活動だ』
「屁理屈をこねるな!」
『条件はシンプルだ。毎月、俺の口座に【30万円】を振り込め』
「さ、三十万!? ふざけるな! うちの会社にそんな余裕があるわけないだろ!」
『払えないはずがない。漫画は大ヒット、海外からのスパチャも絶好調なのだろう? 30万円など、成功者であるお前にとっては微々たる「経費」に過ぎん』
親父の要求は、あまりにも狂っていた。
先ほど結愛から突きつけられた通り、帳簿上の利益と手元の現金は別物だ。
中間申告の税金と先行投資で、手元には家賃を払うのがやっとの現金しか残っていないというのに、毎月30万円など払えるはずがない。
だが、もし断れば——。
身バレ。炎上。
「あの社長、実は帯広のボロアパートで玄米食ってる40歳のおっさんらしいぞw」
ネット上にそんな情報が拡散されれば、海外のファンは幻滅して去り、企業の信用は失墜する。
書籍の重版はストップし、コミカライズの連載も打ち切り。
待っているのは会社の破産と、インボイスに怯えながらコールセンターの夜勤に逆戻りする地獄の未来だ。
『期日は明日の正午だ。最初の30万円が確認できなければ、すぐに暴露系配信者にすべての資料を送信する。……良い返事を期待しているよ、社長様』
ブツッ、と無機質な切断音が響き、通話が切れた。
「くそっ……! くそ悪魔が……!!」
俺はスマートフォンを握りしめたまま、四畳半の畳の上に崩れ落ちた。
絶望で膝がガクガクと震え、呼吸が浅くなる。
せっかく掴みかけた夢が、せっかく立ち上げた会社が、たった一人の毒親父の手によって破壊されようとしている。
『ルシフェル様。心拍数および血圧が急上昇しております。深呼吸を行ってください』
静まり返った部屋に、結愛の淡々とした氷点下ボイスが響いた。
「結愛……聞こえてたか? 終わった……俺の人生、完全に終わったよ……」
『脅迫内容を録音し、法的措置を検討することは可能です。しかし、相手が捨て身で情報を拡散した場合、社会的ダメージを完全に防ぐことは不可能です』
「だろ!? 毎月30万なんて払ったら会社は潰れるし、払わなきゃ身バレして炎上して終わる……! 詰みだ……完全な詰みだ……!!」
俺は頭を抱え、床に額を擦り付けた。
激しい恐怖と焦燥感で、手足の先から温もりが失われていく。
極寒の地・陸別町から届いた最悪の脅迫状。
明日正午のタイムリミットに向けて、俺の絶望のカウントダウンが静かに始まっていた。
コメント
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うわっ、毒親父エグすぎるだろ……!「富の再分配」って言い放つところ、クズすぎて鳥肌立ったわ。主人公が掴みかけた夢を壊そうとする悪意がガチで伝わってきた。結愛の「ルシフェル様。心拍数〜」のドライな声が逆に切なくて、この絶望感からどうやって這い上がるのかマジで気になる!次の展開、待ってる🔥