「はっくしょん!」
少し肌寒い部室で盛大にくしゃみをした。
鼻をすすりカエルパーカーのフードを深く被り
寒さを塞いだ。
「寒いっすね…外は雪降ってるみたいだし…」
「キリンさんもタブーさんも外で遊んでるし…よくこんな寒い中外でれるなぁ…」
「まぁコタツが1番っすよねぇ……」
そう言ってコタツを一人で戦略していた。
暖かくて一人でぼーっとしていると眠気が襲ってきた。
うとうとさせながら、コタツで寝そうになる。
寝ようとした瞬間部室の窓を誰かが叩く音が鳴った。
びっくりしたのか急に眠気が冷めて音の正体を暴くため窓を開けた。
「人が寝ようとした時に……誰っすか!!」
「げほっげほっ、やぁ我が戦友よ!」
「えっ?!なんで閉めるんだ!開けてくれハック!!」
窓を閉めてコタツの中に入ろうとしたハックにサブローは必死に止めた。
「はぁ…死ぬかと思った」
外は雪吹雪でこのままじゃ流石に可哀想だと思ったので仕方なくコタツに入れてあげた。
「なんで窓から入ろうとしたんすか…」
「この部屋のドアが魔物の鍵によって封印されていたんだ」
「え?閉めてないはずなんすけど…」
「それにしても窓から入るなんて猛者っすね」
「それしか手段が無かったんだよ!」
未だに凍えているサブローを眺めるとあることに気がつく
「さ、サブローくん。もしかして今日半袖で着たっすか?」
「あぁ。この上着(半袖)と中のやつの二枚だけだぞ」
「馬鹿っすか…寒いに決まってるっすよ!」
呆れながら眺めていた。
「ぼ、僕は雪の力など通用しな…へっくしゅん!!」
そうフラグを立たせると案の定くしゃみをした
しかも子供のように可愛らしく
「うわ汚…拭いてくださいっす」
ティッシュの箱をサブローに渡して咬ませた。
「ほんと子供っすね…」
「子供扱いするな!僕はお前と同じ大学生だぞ」
そう言いつつも雪吹雪の中半袖で過ごしている小学生みたいな人に言われても説得力が無かった。
「……お」
「俺のパーカー貸すっすよ」
「いいのか!?」
そうハックの顔を見るとなんか嫌な顔をしながらそう言ってた。
「何だよその顔」
「なんでもないっすよ」
「ほら早く着るっす!」
返事を返さないことにイラついたのか無理やり着させた。すると冷えていた腕が急に暖かくなり自然に笑顔になった。
「暖かいな」
「…そうっすか」
「ハックは、いつも仲間と一緒でいいな」
「え?」
突然の発言にハックは驚いた。
「こうして毎日遊んだり泣いたりして」
「…僕達はヤルミナティーみたいな仲間じゃないから」
「…」
「す、少し口が滑ってしまったな。忘れてくれ」
少し虚しそうにしている横顔を見て
ハックはサブローが被っていたフードを取った。
そして優しく撫でてあげた。
それにびっくりしたのか急に顔が赤くなって
ハックの方を向いた。
「なんすか」
「いや…ただびっくりしたから…」
「そんなにっすか?」
「だって、普段なら絶対しないのに…」
凄く嬉しかったのか体育座りで照れるのを隠した。
だが顔が真っ赤になっていた為、もうバレバレだった
「…友達じゃないのに、なんでこういうことするんだ?」
まださっきのことがあってからか悲しそうな感じで言ってきた。
「いつもの調子はどうしたんすか…!メソメソしてるサブローくんなんて、なんか気持ち悪いっすよ…」
「じゃあ僕のこと友達だと思ってくれるのか?」
「それとこれとは話が別っす」
「れっくん!」
「迎えに来たであります!」
「もう来たのか」
部室のドアの前に仲間のティラとシャボが声をかけてきた。そしてそれに気がついたのかサブローはパーカーを脱ごうとする。
だが暖かそうにしているサブローを見て少し安心したのか、フードをもう一度被せた。
「パーカー、明日返してくださいっすよ!」
「…あぁ!」
ドアを開けてティラたちと帰っていくサブローの後ろ姿をじっと見ていた。
「れっくん、なんでカエルパーカー着てんの?」
「裏切ったでありますか!」
「ち、違うぞ!ハックに貸してもらっただけだ!」
「ふーん…でも良かったじゃない!」
そのティラの発言にサブローは少し笑みを浮かべた。
「ふぃ〜…寒かった!」
「あ、おかえりなさいっす2人とも」
「あっハック!お前コタツ独り占めはずるいぞ!」
「ギャパパ!俺様にも入れさせろ!」
コタツに入ってハックを見るとあることに気づいた
「あれ、なんでお前パーカー着てないんだ?」
「…内緒っす」
ハックが少し笑ってそういった。
気になったキリンはしつこく聞いてきた。
「(わざと閉めといて良かったぜ)」
タブーが暖かいお茶を飲んで一息ついた。
コメント
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ハックってパーカーの下来てないって噂だから脱いだら、、、、