「可能性を探って」
夏服をしまい、冬物を出すという作業を一時間近くしているのに、なかなかはかどらない。
衣替えにくたびれて、ひと息いれようと時計に目を向けると、時刻は午前11時40分。
平日の今日は、一週間前までなら仕事をしている時間だ。
退職して一週間、今はこまごまとしたことを片付けながら、先のことを考えている。
仕事のことが思い浮かんだところで、 日比野(ひびの)の送別会のことも思い出した。
日比野に何度も別れを伝えたけど、どう言っても彼に響かないことが苦しかった。
でも彼は私を神戸に連れていこうとしていたようだけど、最後には、私とは終わりなんだとわかってくれたように感じた。
“ 日高(ひだか)さんも元気で”
別れ際、挨拶した時の言葉や、私を見る、諦めの入った目を思い出す。
それまで頑なに自分を通そうとしていた日比野が見せた、初めての変化に*****
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