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14
#魔入間
シロクロ🖤🎧
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放課後の職員室。 普段なら騒がしいはずの空気が、その日は妙に重かった。原因は明白。数分前から続いている、ルーシーとカルエゴの言い争いである。ルーシーが生徒を守るため、応援を待たず一人で動いたのである。はじめはいつものじゃれ合いかと思っていたのだが、今はもうそんな段階ではない。
しかも。 自身の家系能力――“破滅”を使用して。
結果だけ見れば被害は最小限。 だが代償として、ルーシーの両手の手袋は半壊していた。 特殊素材で作られたあの手袋が壊れるなど、本来ありえない。 どれほど無茶をしたか、教師陣には嫌でも分かった。
「…で、なんですか」
職員室のソファー席、浅く腰をかけ、あからさまにイラついているルーシーが気だるげに座っている。
「まーた説教っすか?説教好きっすねカルエゴ先輩。」
その軽い口調に、周囲の教師陣はほぼビビっている。そんな中、1人威圧的にルーシーを見下ろしている教師がいる。そう、カルエゴである。表情はいつも通り。しかし、あまりにも空気が重たい。
「なぜ単独で動いた」
「待っていたら間に合わなかったから」
「応援を待てと再三言ったはずだ」
「待っていたら、生徒が怪我してたっすよ」
「だからといって貴様が一人で背負う理由にはならんだろうが」
ルーシーの授業中、突如生徒の使い魔が暴走し生徒に危害を加えようとしていた。そこをルーシーが報告したが、待っていたら間に合わないと判断し、一人で対処したのである。
「でも、結果的に怪我人は0。無事解決したじゃないっすか。」
「……」
「一体何が不満なんですか??ねぇ?」
職員室の空気がさらに冷たくなる。ルーシーの言いようは明らかに挑発していた。カルエゴの声が、一段と低くなる。
「貴様、自分のした事を本当に理解しているのか? 」
「してますよ」
「していない」
ぴくっ、とルーシーの眉が僅かに動く。
「貴様は毎回そうだ。」
カルエゴが苛立ったかのように机を指で叩く。
「平然と自分を切り捨てる。」
「別に切り捨ててないっすよ。ほら」
「嘘をつくな」
瞬間、ルーシーの瞳から光が消えた。職員室にいる誰もが、嫌な予感を感じ取っていた。
「……何なんすか」
「は?」
「先輩、俺の事になると急にキレますよね。過保護にわざわざ」
「ちょ、ルーシーくん、」
バラムが思わず、小さく制止をいれた。しかし、2人の耳には届かない。
「別にいいじゃないっすか。俺が俺の体をどう使おうが、能力をどう活かそうが、先輩には関係ないっすよね?」
「それが良くないと言っている」
「なんで??」
カルエゴが言葉を詰まらせる。その隙をルーシーは見逃さなかった。乾いた笑みを浮かべる。
「あー、なるほど」
「……」
「結局、”問題を起こされたら迷惑だ”ってことっすか」
「……」
「そりゃそうっすよね。自分が受け持ってる後輩が重大なミスを犯したら、誰だって面倒だと思いますよね」
バラムが顔を顰め、ダリは面白半分でその様子を見守っている。
「曲解するな」
「曲解?」
ルーシーがゆっくりと立ち上がる。
「んじゃ聞きますけど、カルエゴ、俺の事信頼してないし、理解すらしてないっすよね」
「……何?」
「危険だかやめろ、無茶するな、自重しろ。そればっか。俺が何を思って、何を考えて行動してるか、何にも気にかけてもくれない。」
「……」
「否定しないんですね」
長い沈黙が生まれる。誰も、何も言えなかった。その沈黙が、応えに思えた。
「もういいっす」
ルーシーが出ていこうとする。その手を、カルエゴが思わず止めた。
「っ待て、逃げるな」
「じゃあどうしたら良かったんだよ!!」
ルーシーの怒号と共に、そばに置いてあった椅子が蹴飛ばされた。そして、ルーシーの手を掠めた万年筆が跡形もなく消滅した。
「っ…!」
ルーシーが思い切りカルエゴの手を振りほどく。その手は、微かに震えていた。その場にいる誰もが、その光景から目が離せなかった。
「…生徒を見捨てて、あんたらを待ってれば良かったってことかよ」
「違う」
「違わねぇだろうが!」
机が思い切り殴られる。その机は、真っ二つに割れてしまっていた。初めて見るルーシーの感情の爆発に、何も言うことができない。まさしくその光景は、激昂しているといえる。
「っは、…はぁ、」
息が荒くなる。
「…もう、いい」
「お前なんか、大嫌いだ」
コメント
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みぅです、読みました……🤍🥀 もう、最初から空気が重くて、でも目が離せなかった。 ルーシーの「大嫌いだ」って最後の一言、心臓にズドンってきた……。 だって全然“嫌い”だけじゃなくない? あの震える手も、机を割る怒りも、全部“構ってほしい”とか“わかってほしい”の裏返しにしか見えなくて。 カルエゴが「自分を切り捨てるな」って言うのに、ルーシーは「別に切り捨ててない」って平然と答えるとことか、二人の認識のズレが痛いほど伝わってくる……。 続き、気になりすぎます。お互いの本心、いつか交わるんですかね🥀