テラーノベル
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╴今回は間に合う 。 ╴
その文字を見た瞬間。
オレの頭に浮かんだのは一つだった。
何に。
何が。
間に合うんだ。
ノートを閉じる。
だが答えは出ない。
眠る気にもなれなかった。
翌朝。
スマホの通知音で目を覚ます。
リオラからだった。
😈💬 _ 今日予定ある ?
珍しい。
向こうから連絡してくることはあまりない。
🐕💬 _ ないよ
すぐ返信する。
既読。
数秒後。
😈💬 _ なら遊ぼや
コウは眉をひそめた。
違和感。
昨日までどこか距離を取ろうとしていたのに。
今日は逆。
まるで。
近くに置いておきたいみたいだった。
昼過ぎ。
二人はゲームセンターに来ていた。
ごく普通の休日。
ごく普通の時間。
のはずだった。
🐕 _ お前今日変じゃない ?
😈 _ 何がよ ?
🐕 _ ずっと周り見てるじゃん
リオラの視線が止まる。
図星だったらしい。
😈 _ 別に 、
🐕 _ またそれ 。
😈 _ 何が 。
🐕 _ 別に 。
リオラは吹き出した。
😈 _ 細か 。 笑
🐕 _ お前が怪しい 。 笑
笑いながら言う。
だが。
リオラの目だけは笑っていなかった。
帰り道。
夕方。
信号待ちをしていた時だった。
ふと。
見つける。
道路の向こう側。
黒いパーカー。
フードを深く被った人物。
まただ。
駅前で見たやつ。
🐕 _ …… 。
目が離せない。
その瞬間。
黒パーカーもこちらを向いた。
顔は見えない。
だが。
確実に目が合った気がした。
そして。
そいつはゆっくりと歩き出す。
路地裏へ。
誘うように。
😈 _ コウ 。
隣から声がする。
リオラだ。
🐕 _ 何 ?
😈 _ 見るな 、
声が震えていた。
🐕 _ 知ってるの ?
リオラは答えない。
代わりに。
オレの腕を掴む。
強く。
痛いくらいに。
😈 _ 行かんといて 。
🐕 _ なんで 、 ?
😈 _ 頼むわ 、
オレは固まった。
今まで聞いたことのない声だった。
本気で怯えている。
本気で焦っている。
それなのに。
なぜか。
オレは行かなければいけない気がした。
その夜。
夢を見た。
今までで一番鮮明な夢だった。
暗い部屋。
泣いているリオラ。
血。
床に広がる赤。
そして。
誰かが言う。
╴失敗 。╴
別の声。
╴326回目終了 。╴
また別の声。
╴次を開始します 。╴
その瞬間。
リオラが顔を上げる。
涙で濡れた顔。
真っ直ぐオレを見る。
╴来ないで 。╴
そこで夢は終わった。
飛び起きる。
呼吸が苦しい。
時計を見る。
午前三時。
机を見る。
黒いノートが開いていた。
嫌な予感がした。
ページを開く。
新しい文字。
╴思い出し始めたな 。╴
その下。
大きな文字。
今までで一番力強い筆跡。
╴次に黒パーカーを見つけたら追え 。╴
オレは息を呑む。
さらに下。
赤文字。
震えたような字で。
╴リオラは止める 。╴
そして最後。
ページの端に小さく。
まるで誰かが隠すように。
こう書かれていた。
╴それでも助けたいんだろ 。╴
コメント
2件
黒パーカーは何者なんだ...
リオラの「行かんといて」、あの震えた声がすごく刺さりました…。普段飄々としてるのに本気で怯えてるのが一瞬で伝わってきて。それに黒ノートの「追え」と「リオラは止める」の矛盾がもう、胸が苦しいです。326回目って何…? 全部の記憶が少しずつ繋がり始めてる感じがたまらないです。続きが気になりすぎる…!
Mee
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