「陽…。」
まるで獣のように相手の体を喰らい尽くす。求め続ける。ここに陽を縛り付けて、もうどのくらい経ったのだろうか。
「ゔぁっ…♡や、や♡もっと、♡」
最初はただの友人だった。いつしか叶うことがない恋は執着へと変わり、独占欲と変わった果てに。私は彼を監禁した。他人に見せたくなかっただけかも知れない。だが行為は段々エスカレートしていき、遂には堕とす事さえ成功した。
「…分かってるのかい?それ以上続ければ彼の体は壊れるよ?」
ずっと頭の中に残っている言葉。彼を早く病院に行かせなければ眠るように死ぬかも知れない。それでも歯止めをかけているのは紛れもなく私の嫉妬心であって。だけどそれを話さないと誠実ではない気がして。私は陽に託すことにした。彼が生きたいと言うなら、入院生活になれど面倒を見ようと。話した結果は優しい否定の言葉だった。
「いい、お前は悪くない。このまま死んでも俺はいいとさえ思っているんだ。」
この時、確かに私は彼が『私が愛した陽』では無くなったのだと理解させられた。生き汚くは無かったが、ずっと生きたいと願い続けた彼を私は好きだった。多分…失望、したんだと思う。私は多分、許されたかったんじゃなくて罵られたかったんだ。こんな事駄目だって分かってるからこそ代わりに罵ってほしかったんだ。
翌朝、陽は眠るように死んでいた。