【ルウ】「ふぅ…疲れたな…。SNS…ダメだ…伸びてない…。」
私の名前は『夜街 涙雨』。学校に通いながら、曲を作ってSNSに投稿することが最近のマイブーム。でも現実はそう簡単には上手くいかなくて、なかなか視聴者数が伸びないことに悩んでいた。そんな中、周囲にいるみんなは才能に満ち溢れていて、キラキラ輝いているように見えて、正直悔しくてツラかった。
【ルウ】「はぁ…ダメだな…自分って…。」
もっと自分の曲を聴いてほしいとは思うけど、その思いはなかなか周りの人には届いてはいないみたいだった。
【ルウ】「うっ…自分って…才能ないのかな…。」
『才能』。この言葉に今までどれだけ苦しめられてきたか、計り知れない…。この言葉を思い出すだけで、涙が自然に出てくる。気付けば、私の頬には一粒の涙が伝っていた。
すると…私がそっと涙を流す中、声をかけてくる子がいた。
【ブルーノ】「どしたの〜?なんかよくないことでもあったの〜?」
【ルウ】「えっ…?だれ…?」
【ブルーノ】「俺はブルーノ!悪魔だよ!」
【ルウ】「ブルーノ…?悪魔…?ホントに?」
この子の名前は『ソムニウム・ブルーローズ』という名前で、悪魔の子らしい。この時私は悪魔ってホントにいるんだって初めて知った。
【ブルーノ】「それよりも…なんで泣いてるの〜?嫌なことあったなら…俺らの喫茶店に来ない?」
【ルウ】「えっ…?喫茶店…?」
【ブルーノ】「そうそう!悩みは誰かに話すのが1番だから…!来〜て〜よ〜!」
【ルウ】「えぇ…まぁ…分かったよ…。」
【ブルーノ】「やったぁ!うんじゃ…こっち来て〜!」
【ルウ】「えっ!?そこ鏡なんだけど!?うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
私はブルーノに急に腕を引っ張られ、鏡に吸い込まれた。
そして気がついたら…
目の前に夜空色に染まった街と、綺麗な喫茶店があった。
【ルウ】「えっ…なに…ここ…。」
【ブルーノ】「さぁさぁ!入って入って〜!」
【ルウ】「う…うん…。」
-喫茶店『ブルーローズ』-
【ルウ】「失礼します…。」
【シャルル】「ん?いらっしゃい。ていうかブルーノ…オマエまた別世界から勝手に連れてきたな…?」
【ブルーノ】「ごめ〜ん!でもこの子…悩みがあるみたいで放っておけなかったの!」
【ルウ】「は…はじめまして…。」
【シャルル】「はぁ…まぁ…とりあえず好きなところに座れよ。飲み物は何がいい?」
【ルウ】「えっ…えっと…うんじゃ…この海色ソーダで…。」
【シャルル】「了解。ちょっと待ってろ。おい!アルス!」
【アルス】「なんですかぁ…?」
【シャルル】「オマエも手伝え。」
【アルス】「はぁ〜い…。」
数分後…
【シャルル】「待たせたな…。ほら食え。」
【ルウ】「えっ?フルーツサンド…?フルーツサンドは頼んでないんですけど…。」
【シャルル】「サービスだ。」
【ルウ】「あ…ありがとうございます…いただきます…。ん…美味しい…。」
シャルルさんのフルーツサンドは甘く優しい味がした。中に挟まれてるイチゴとクリームが美味しくて、食べるだけで癒される。喫茶店の雰囲気もあって、結構心を落ち着かせることができた。
【ルウ】「ヤバい…美味しすぎて泣きそう。」
【シャルル】「はぁ?」
【アルス】「まぁ…シャルルさんの料理ってどれも美味しいから…食べるだけで泣きたくなる気持ちも分かるかも。」
【シャルル】「えっ?」
【リベル】「分かる〜…シャルルくんの料理っていいよね〜…尊敬する…。」
【シャルル】「そ…そんなに…?」
【ブルーノ】「あははwシャルルくんみんなに褒められてるじゃんwよかったね〜♪」
【シャルル】「うるせぇ…///」
【ルウ】「あっ…そういえば…自分…自己紹介とかしてなかった…。ボクの名前は夜街 涙雨って言います…。」
【シャルル】「俺はシャルルだ。よろしく。で…俺の隣にいるのはアルス。一応俺の相棒だ。」
【アルス】「よろしくお願いします。」
【リベル】「私はリベルだよ!このお店でメイドやってるんだ〜!」
【ブルーノ】「で…僕がさっきも言ったとおり…悪魔のブルーノだよ!よろしく〜!」
【ルウ】「よ…よろしくお願いします…。ていうか皆さん…夜まで営業してるんですか…?ここ…。」
【アルス】「うん。だけど今日はもうすぐ閉めるつもり…。」
【ルウ】「そうなんだ…。てことは…もうすぐ帰らなきゃいけないのか…。」
【アルス】「もしかして…帰りたくないの?」
【ルウ】「うん…帰ってもいいことないし…。」
【リベル】「そっかぁ…。なら…もう少しここでゆっくりしていく…?それに悩みがあるって言ってたよね…?悩みが晴れるように私たちで良ければ話聞こうか…?」
【ルウ】「いいんですか…?さすがに迷惑なんじゃ…」
【シャルル】「こういう迷惑はかけてもいいんだよ。今は甘えとけ。」
【ルウ】「わ…分かりました…。それじゃ…お言葉に甘えて…。」
こうして私はシャルルさんたちのお店に、しばらく居候することになった。
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