テラーノベル
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私が悪い訳では無い。
少しだけ、その思いもあった。
それでも、間接的には私がそこに居たせいだと思ったし
せっかく出会いを求めて来ているのに、私がいることでその場の空気を壊してしまったのは
責任を感じざるを得なかった。
それでも、空気は重くならなかった。
「いやいや、頭上げてよ。モカちゃんのせいじゃないって!」
「そ、そうだってモカ!サラのこと止めれなかった私も悪いしさ」
周りが励ましてくれるお陰で、肩の荷がおりた気がした。
「……でも」
それでも、口癖と化していた否定の言葉は止まらなかった、
「でも…私が…っ」
その瞬間
「でも、じゃないですよ」
晴輝さんは真っ直ぐに私の目を見て言った。
「美篶さんは、もっと自分を大切にするべきです」
その言葉に、胸が熱くなった。
「ほら…暗い話はここまでにしましょう。さっきは騒がしくて、お食事もあまり喉を通らなかったでしょう?」
「…は、はい……っ」
「なら、楽しく飲みましょう」
まるで魔法のように、さっきまで荒んでいた心が温かくなった気がした。
その言葉に促され、みんなそれぞれ料理を注文した。
◆◇◆◇
数時間後
会計を終えて店を出ると、私はすぐに晴輝さんに駆け寄った。
「あ、あの…!」
「…美篶さん、どうしました?」
彼が足を止めて振り返る。
「えっと…さっきは、本当にありがとうございました…!」
私は深く頭を下げて、もう一度お礼を言う。
頭上からは、漣《さざなみ》のような優しい声が降ってきた。
「いえいえ、頭を上げてください」
促されるように頭を上げると、彼と目が合う。
自分から近付いたというのに、あまりの至近距離にドキっとした。
「僕が勝手にしたことですから」
慈雨のような笑顔に、私は息を飲む。
「で、でも…なにかお礼がしたくて…!」
「お礼、ですか」
彼は自分の顎に手をあてて、思考の海に沈む。
「はい…!本当に、助けてくださったことに感謝でいっぱいで…お願いします。お礼をさせて欲しいんです…!」
私は懇願するように、再度深く頭を下げた。
「…それでしたら……」
晴輝さんは口を開いた。
「美篶さんさえ良ければ、僕の買い物に付き合って欲しいのですが…よろしいですか?」
「…は、はい!それぐらいなら全然…!」
「よかった。それでは、僕の連絡先はこちらなので───」
そうして晴輝さんと連絡先を交換したあと
「それじゃあまた連絡しますね」と、彼は優しい微笑みを残して夜の街に消えていった。
その後ろ姿を見送りながら
さっきまであんなに重かった心が、今は信じられないくらい軽くなっていたことに気付く。
心臓の鼓動が、やけに大きく鳴っていた。
その感覚は、まるで……恋、をしているような。
#ハッピーエンド
高瀬船
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臣桜
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#年上彼氏
猫塚ルイ

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ひより
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コメント
1件
うわあ第5話…!モカちゃんの自己否定のクセ、すごく伝わってきたよ…「でも…私が…」って言いかけて止まるところがもう切なくてね😢 そこに晴輝さんの「自分を大切に」がズドンと刺さった…!胸熱すぎて一回静止したわ。買い物デートのお願いもさりげなくて優しくて、あの距離感がもう尊い…最後の恋の予感の一文で完全に持ってかれた😭💕 次の展開が気になりすぎる〜!!