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ー注意ー
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先に進む前にお読みください
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こちら日常組の脱獄シリーズの二次創作です
話を簡潔に進めるための創作がございます。
ご本人様方とは全く関係ないです
荒らしやアンチはご遠慮ください
BL注意!
それでもいいよ!
という優しい方はそのままお進み下さい
目を開けはじめに映ったのはいつもと変わらない無機質な部屋、ではなく1輪の花だった。花弁は丸っこく鮮やかな黄色だった。状況を理解し始めると、はたと思い出す、確かこの花はポピーというものであったはずだ。花なぞ似たり寄ったりで確信は持てないがこんなものであったと考えたが、そもそも何故こんな場所に花があるのか、イタズラであっても花1本をこの部屋に置く以前に飛行船に持ち込む事の方が遥かに面倒だ。そんなことをする人物が勿論船内にいるとは思えず、一応部屋を調べ尽くしたが花の事は謎のまま仕事を始めた。
「すいません〜、リアム看守長〜!」
と執務室に着くなり情けない声でスティーブが声をかけてくる、話を聞く限りどうやらまた鍵を無くした様だ。ふつふつと沸いてくる怒りを発散するように目の前にいるスティーブの頭を少し強めに殴る。ほんとにすいません〜と涙目になり更に情けなくなったスティーブに怒りを超えて呆れてしまう。説教垂れたい所だがそろそろ囚人達を移動させる時間になるため話を簡潔に済ませ必要なものを持ちさっさと部屋を出た。
「うぅ、リアム看守長こっわぁ〜…あれ?こんな花あったっけ?」
スティーブはその場でしゃがんみ花を一輪とる、花弁が多くついている紫の美しい花はリアム看守長の立っていた場所の近くに数本落ちていた。
囚人牢の前につけば少しばかり声が漏れて聞こえる。相変わらずの調子に呆れ気味なため息が出るが耳に馴染んだ明るい声が聞こえ、無意識に緩く口角が上がる。扉を開ければこちらに気づいた9番がおはようございますと、挨拶をしてくる。その声でこちらに気づいた8番と6番も挨拶をしてくる。最近は素行もよく、朝食までの段取りとスムーズに行える。食事を配り、さて今日の刑務の話をしようと言葉を発する前に9番の一言によってそれは遮られる。
「あれ?リアム看守、牢屋の前に花が落ちてます」
はぁ?と腑抜けた声が出るが確かに牢屋の前には花が落ちている、しかもそれは9番の牢屋だけでなく、8番、6番の所にもあり、それは枝にいつくもの小さく鮮やかな黄色の花を咲かせていた。さらに、8番に関してはもう一種類花が落ちていた。一輪にいくつもの赤の花を咲かせたそれを8番は牢屋から手を伸ばし一つ取るとくるくると弄び始める。なんの花だろ、かわいーと小声でつぶやく様を見て破顔しそうになる。すると、え、と9番が声を上げる。まるで信じられないものを見たかのように目をごしごしと擦る。
「リアム看守か花が出てる…???」
そんな意味不明な言葉にハテナを浮かべるが9番に足元足元と言われ見れば先程までなかった花が落ちている、呆気にとられていると6番がププッと笑いながらリアム看守変な顔〜なんて言うもんだから6番へ歩みを進めようとするとバサッと音を立て先程よりも多い花が足元に落ちる。そんな現実に怒りも忘れ、只々驚愕する。足元に落ちている花々はどれも同じもので紫色の花は牢屋の冷たい雰囲気には似つかわしくない可愛らしさだ。
「えっ、僕のメンカラじゃん!リアム看守〜?そんなに僕が好きなのぉ〜?」
とからかうように言う6番に腹が立つ、出てくる花に気を止めることも無く6番の牢屋の前に行き強めに一発殴った。と同時にあっ!と何かに気づいたのか8番が声を上げる。
「これ、リアム看守の感情が高ぶった時に出てるんじゃないですか!?」
さっさと6番の牢屋から出て8番の方を見ると目をキラキラと輝かせ同意を求めるようにこちらをじっと見つめてくる。ブンブンと揺れる尻尾でも見えてきそうな彼の様子に気持ちが込み上げだらしない顔にならないようすれば眉間にシワが寄り、睨むようになってしまったからか8番がハッとし申し訳無さそうな顔をする。
「いや、8番の説は正しいと思うぞ」
あんな顔をする8番に気づきすぐに答えを返したが正直、8番の説は正しそうだ。実際に6番に怒りを覚えた時には花が多く落ちてきたし、今だってえもしれぬ程の心地いい気持ちを抱いているからかぽとぽとと花が落ちてくる。その花は6番に怒りを抱いた時とは違うものだが、いくつもの種類が落ちてくるものだから法則が全く分からない。小さいながらも声に出てたのか、確かに…種類が違うから何かしら法則があるのか……と9番がこぼす。うんうんとしばらく悩んでいたがそんな事をずっとできるほど時間の余裕はなくあっという間に刑務時間となる、個人的にはもっと熟考したかったがとりあえずは仕事を優先し囚人達を移動させようと順々に牢屋の扉を開ける。一番近い8番の牢屋を開けると出てきた8番は扉に足を引っ掛け転びそうになる。すぐに手を伸ばし8番の手を掴もうとするが距離感を見誤り、思ったよりも体が近づく。だが転ばないように反射的に8番の腰に手を回す。8番を受け止められたと安堵し息を吐くと同時に前をしっかりと見る。重力で前髪がサラリと流れたため普段は隠れている右目が明らかになる、そこで美しい黄色の双眼と目が合う。キスをしてしまいそうな距離に息を飲む、と同時にドサッと今までとは比べ物にならない量の花が落ちてくる。俺と8番を囲うように落ちている数多の花々はまるで花畑のようで二人だけの世界になったように感じる。ほのかに香る花の香りとふわりと舞う花弁によって更に美しく彩られる8番に先程も感じた心地良さを感じる、と同時に高まっていく鼓動に初めて気づく。
視界に入るだけで10何本とある薔薇の花に苦笑いを浮かべる。果たして周りにあるものも含めれば何十本、いや何百本もかもしれない。そんな花束なんて告白みたいじゃないか。なぁ8番
「お前が好きだ」
なんて感情のままに言えたらどれだけ良かったか。
「え?」
と声をこぼした8番は薔薇よりも美しい赤で頬を染めていた。
あとがき
今回も閲覧頂きありがとうございました。
またまた期間が開き申し訳ないです。
ようやくいい感じに書けるネタが浮かんだので上げました。
今回は花言葉と感情がリンクしてる感じのやつです。出た花は黄色のポピー、紫のシャクヤク、赤のゼラニウム、レンギョウ、カスミソウ、ロベリア、サンダーソニア、赤の薔薇、赤のチューリップ、赤のアネモネ、赤のガーベラです。花言葉いいよね
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ありがとうございました