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あの戦いのあと、平和な日常が続いている。
変わったことといえば、傘下に入りたい、庇護下に入りたいと言うあやかしが増えたことと、お社を大きくしたくらいだ。
そして今日、夏休みが明けて久しぶりに金魚ちゃんたちを引き連れて学校に行く。
クラスに着き、久しぶりの友達と談笑し、担任の先生が入ってきて挨拶をする。
「席につけー。みんな久しぶり。なんかみんな日焼けしたんじゃないか?今日から新しい仲間が加わる。転校生だ。みんな仲良くしてくれよな。」
クラスがザワザワしだす。
そりゃそうだ。転校生来校といえば高校のドキドキするイベントのひとつだ。
「入ってきてくれ。」
ガラガラガラ クラスの扉が開き転校生が入ってくる。
髪は肩で切り揃えてあり、顔は小さく、目は切れ目の美女が入ってきた。
「転校してきました。立花 琴巴と言います。よろしくお願いします。」
「うぉーー!!」
男たちは雄叫びを上げる。
「かわいいーー!!」
女子は女子でザワザワと騒ぎ始める。
立花さんは七瀬さんをみてとても驚いた顔をして、次にこちらをみて、金魚ちゃんたちを目で追っていた。
あっ、この人見える人だ…
その後、立花さんは放課後までクラスのみんなに質問攻めにされていた。
立花さんは絶対見えている。関わると碌なことにならないと思い、僕はそそくさと帰ろうとすると。
「真広君!一緒に帰ろ!」
七瀬さんに声をかけられた。
「うん、いいよー」
「わたしも!わたしもあなたたちと一緒に帰りたい。いいかな?」
「「え!?」」
七瀬と僕は二人してびっくりする。
「もちろんいいよ、真広君もいいよね?立花も一緒に帰ろう」
七瀬さんがそう返事をする。
「も、もちろんだよ」
僕は苦笑いでそう答える。
やべー、捕まっちった…
「ねぇ、七瀬さんって陰陽師なの?」
三人での帰り道突然立花さんが変なことを言い出した。
「えぇ!?陰陽師?違うけどなんで?」
「私みちゃったの七瀬さんがお札を使ってあやかしを滅するところを。」
「え!?じゃあ、立花さんも見える人なの!?」
「うん。わたしは陰陽師として、こっちに修行を積みにきたの。」
「えー!じゃあ立花さんは陰陽師なんだ!すごい!
でも、わたしは見えるだけで陰陽師ではないんだ。どちらかと言うと陰陽師みたいなのは真広君の方だよ。」
「へー、そうなんだ。」
立花さんがこちらを見る。
「このお札も戦えない私が怖い妖怪とか幽霊から身を守れるようにって真広君にもらったの。」
そう言って七瀬さんは、ルーズリーフのお札を取り出す。
七瀬さん!?ダメ!本職の人にルーズリーフのお札を見せるのはやめて!!
「やっぱりルーズリーフのお札…真広君だっけ?このお札はどう言うことなの??それに、真広君の周りを泳いでる金魚のあやかしは真広君の式神かな?」
やっぱり…めちゃくちゃ怪しがってる。
金魚は式神だと思ってくれてるのか。
「あっ、えーと、まず、この金魚は僕の式神みたいなもんだよ。お札の方は、僕のおじいちゃんも陰陽師をやったたんだけど、ルーズリーフはおじいちゃんが持ってたもので、それだと何故かお札が作れたんだ。」
咄嗟にでた言い訳だった。
「ん?おじいちゃんが陰陽師?真広君苗字はなんて言うの?」
急に立花さんが僕の苗字を聞いてくる。
「涼風だけど…」
「えぇ!!もしかして真広君のお爺さまって涼風 重蔵様!?」
「え?なんでおじいちゃんの名前を?それに様って」
「そのルーズリーフは涼風 重蔵様の持ち物だったのね!それなら納得だわ!」
「おじいちゃんのこと知ってるの?」
「知ってるもなにも現代の最高の陰陽師のうちの一人よ!あなた孫なのにしらないの!?」
え、おじいちゃんすごかったの?
ーはい、かなり強い部類の祓い屋でしたよー
だから、重要なことは教えてってば!
「知らなかった。」
「知らなかったってそんなことあるの?そういえば、涼風家は重蔵様が最後の陰陽師だと聞いていたけど…」
合ってます…
「僕も最近まではあやかしが見えなかったんだ。数ヶ月前に見えるようになったんだよ。」
「そんなことってあるの?それに従えてる式神もなかなか強そうだし数も多い。数ヶ月でこんなに実力がつくもの?」
「あははー、なんでだろうねぇ?」
「ねぇ、涼風 真広君。私と勝負しない?」
「え!?」
「わたしどうしても涼風 重蔵の孫の実力が知りたいの。わたしの目標の一人だったから。」
「戦うだなんて、そんなことできないよ!」
「お願い!対決してくれたらなんでも言うこと聞くから!」
なんでもって!そんな!
「今日の夜の9時にあの山の山頂で待ってるから!絶対きてね!!」
そう言って立花さんは走って帰ってしまった。
えぇー、嘘でしょ?
ちなみに、七瀬さんはポカンとした顔をして終始話を聞いていた。