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第10話、読み終えたよ〜!!🔥✨ ミアちゃん、火炎弾を斬っちゃうとかカッコよすぎん?😭💕 しかもその後の「熱を剣に押し戻せ」ってご主人様の導きで、まさかの剣が光る展開に胸熱すぎる……! アトハさんのバトル描写、臨場感あって一瞬で引き込まれたよ。次どうなるか気になって仕方ない〜! 続き楽しみにしてるね🌸
岩場を駆けるミアを、三体の炎甲蜥蜴が追った。
ミアはただ逃げているわけではない。
何度も後ろを振り返り、どうにか一対一の状態に持ち込もうと工夫している。
ミアは大岩の間をジグザグと走り、何度も鋭く進路を変えた。
やがて大柄な二体が遅れ、小柄な一体だけが距離を詰めてくる。
「小柄な一体だけ、足が速いのを利用したか」
「追いつかれたのではなく、追いつかせたのですね」
俺とリタが見守る中、ミアは足を止めて剣を構えた。
小柄な炎甲蜥蜴が牙を剥き、頭からミアへ突っ込む。
ミアは素早く横へかわし、すれ違いざまに胴へ剣を叩き込んだ。
キーンッ!
刃が甲殻にぶつかり、高い音とともに火花が散った。
「堅っ……!」
剣を弾かれたミアの腕が、大きく跳ね上がる。
ミアは驚いたような声をあげながらも、油断なく炎甲蜥蜴から距離を取った。
「ミア、よく観察しろ。相手の硬さとまともに付き合うな」
「はいっ!」
ミアは、またしても走り出しながら、相手の動きを注意深く観察している。
(これだけ走り回って少しも動きが鈍らないとはな。これも常日頃の鍛錬の成果か)
「ご主人様、助けに入りますか?」
「心配ない。もう少し任せてみよう」
すばしっこく逃げ回るミアに、苛立ちを覚えたのだろうか。
炎甲蜥蜴が、振り向きざまに大口を開けた。
──突進の直前に見える僅かな隙。
「今っ!」
ミアが鋭く叫ぶ。
直後、逃げ回っているかのように見えたミアが、ひとっ飛びに炎甲蜥蜴への距離を詰めた。
そのまま手にした剣を、炎甲蜥蜴の口に深々と突き刺す。
グギャァア!
あたりに響き渡る断末魔。
「まず一体」
そう言って、ミアは頬の返り血を手の甲で拭った。
そのまま倒れた巨体を足で押さえて、喉から剣を引き抜いた。
ミアは息を整える間もなく走り出した。
しかし、炎甲蜥蜴も今度は警戒しているのか、なかなか単独行動しようとはしない。
おまけに一定の距離を保ったまま、ミアに近づこうともしなかった。
「しまっ──」
やがてミアが、岩場の縁に追い詰められる。
更に悪いことに炎甲蜥蜴は距離を取ったまま、その身体に魔力を宿し始めた。
その大きな口に、赤い炎が宿る。
要注意、とされている火炎弾だ。
もう一体が、ミアの退路を塞ぐように回り込んでいて逃げ場もない。
気配を隠しながら炎甲蜥蜴の後を付けていた俺たちは、
「……ここまでか」
「そうですね。助けに入りましょう」
リタが、そう言いながら大鎌を引き抜いた。
──その時だった。
「もう少しやらせてもらえませんか?」
ミアの目は、まるで諦めていなかった。
それどころか呼吸を整え、歴戦の剣士のように剣を真っ直ぐに構えている。
「……大丈夫なんだな?」
「はい、任せてください。叩き斬ります」
「そうか。なら──やってみろ」
ミアの可能性に惹かれ、ここに連れてきたのは俺だ。
ここぞというときに信じてやれなくて、何がスカウトだ。
(それに、いざという時の備えとして、最上級ポーションは持ってきている)
(最悪の事態にはならないだろう)
「ちょっと、ご主人様!?」
「もう少しだけ任せてみよう。リタ、いつでも割って入れるように構えておけ」
「…………かしこまりました」
そうして俺たちが見守る中──炎甲蜥蜴の口から、魔力でできた巨大な火の弾が放たれた。
巨大な火炎弾が、唸りを上げてミアへ迫る。
逃げ場はない。それでもミアは目を逸らさず、真正面から飛び込み、剣を振り上げた。
「はあああっ!」
ズバァンッ!
火炎弾が、ミアの剣を境に真っ二つへ割れた。
二つに分かれた炎がミアの両脇を通り抜け、そのまま虚空へと消えていく。
轟音とともに熱風が岩場を吹き抜けた。
その中心で、ミアだけが剣を振り上げた姿勢のまま立っている。
「火炎弾を、斬った……?」
後ろでトーマが呆然と呟いた。
──次の瞬間。
「あつ……っ!」
ミアが、剣を構えたまま膝をつく。
柄を握る右手が震えていた。
「ミアッ! 何があった?」
「分かりません。ただ……、身体が熱くて」
ミアは炎に触れていない。
それなのに、胸元を押さえた体からは汗が噴き出している。
(妙だな。攻撃は弾いたはずなのに)
(いや──まさか!)
俺は信じられない思いで、改めてミアを観察する。
よくよく見ればミアの身体からは、たしかに炎の魔力が溢れ出していた。
(斬った炎が、剣を通って身体へ入ったとでもいうのか?)
(馬鹿な。そんなことをしたら普通は身体が持つはずが──だが、もしそういうことなら!)
半信半疑で。
それでも迷っている時間はない。
「できるかは分からない。その熱を、剣へ押し戻せ!」
「はいっ!」
ミアは震える手で、剣を握る。
そこに炎甲蜥蜴が、もう一度、巨大な火の弾を撃ち込もうとしていた。
「やぁあああっ!」
放たれる一閃。
ミアは、剣の一振りで火の弾を弾き飛ばす。
更に勢いそのままに炎甲蜥蜴の懐に潜り込み、
「こういう……ことですかっ!」
真正面から剣を叩きつけた。
──その瞬間、たしかに剣が光を灯す。
それはミアの強い意志に応えるような、真っ赤な光だ。
凄まじい轟音と衝撃波。
ミアが振るう渾身の一撃は、炎甲蜥蜴を甲殻ごと見事に一刀両断した。
どれだけ斬りつけてもびくともしなかった甲殻を、ミアの剣が何の抵抗もなく断ち切った。
(間違いない。剣が炎の魔力をまとってる!)
(いや、それだけじゃないな──なんだこれは!?)
炎甲蜥蜴は胴体から真っ二つになり、そのままピクリとも動かなくなった。