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(駆け足で屋上に上がってくる足音)千夏「そういえば君、今日テストだけど…大丈夫そ?」

男子生徒「あ…受ける気なかったから何もしてないや……」

千夏「あ、受ける気になったんだ。ねぇ、名前は?」

男子生徒「……雨波梅。」

千夏「梅くんか。よろしくね」

梅「……ん、よろしく。というか、君ほんとにいじめられてるの?そんなふうに見えないんだけど……」

千夏「多分いじめられてるよ。でも慣れてるから、あんまり気にならないんだよね。喧嘩売られてる程度にしか思ってない」

梅「……やり返すの?」

千夏「腹が立てばね」

梅「腹立つことあるんだ…」

千夏「そりゃ人間ですから」(髪を指にクルクルまきつけながら)

梅「ちなみにどんなふうにやり返すの?」

千夏「相手にやられた事をそのままお返しするだけだよ」

梅「へー…聞いていいのかわかんないんだけどさ、なんで女装してんの?」

千夏「…ボクの…ボクにとって大切だった人が唯一褒めてくれた格好だから」

梅「誰?それ」

千夏「……内緒…かな」

梅「僕てっきり素の自分の格好が嫌いなんだと思ってた」

千夏「嫌いではないかな…、でもやっぱり褒められた格好の方が自信が出て堂々と出来るんだよね。それに…(素の自分を隠せてる気がして…安心できるんだよね…)」

梅「?」(首を傾げる)

千夏「なんでもない。君との会話は楽しいや」

梅「ありがと?」

千夏「あ!そうだテスト!」

梅「あー、まぁ、適当に受けるから大丈夫」

千夏「あ、そうなんだ。じゃあいいや」

梅「君こそテスト大丈夫なの?」

千夏「余裕余裕」

梅「頭良さそうに見えないんだけど…」

千夏「失礼な、ボク前回2位だよ?前々回は1位だし」

梅「…虚言?直した方がいいよ」(真顔)

千夏「し、失礼な」

梅「冗談だよ」

千夏「あ、ねぇねぇ、弓道ってどこの筋肉がいるの?」

梅「……き、筋肉?」

千夏「うん!筋肉!」

梅「え、えっと、多分背中とか腰、足とかじゃないかな」

千夏「剣道はね、握力がいるんだよ。だからボク握力は自信あるんだよね」

梅「へ、へー…」

千夏「あ、そろそろ教室戻らないとな…、君はサボるの?」

梅「…うん、そうしようかな」

千夏「ふーん、じゃあまた後で」

梅「え、うん(また後で?)」

(千夏が階段を駆け下りる音だけが響く)

放課後、千夏と梅は保健室に集まっていた

千夏「は〜テスト4時間もすると流石に疲れるね〜」

梅「お疲れ様」

千夏「君はずっとテスト受けなかったの?」

梅「うん、最初は屋上にいたんだけど途中からは保健室に居たよ」

千夏「ほへ〜」(救急キットを出し中を漁る)

梅「ちょっ、それ勝手に触ったらダメなやつじゃ…」

千夏「大丈夫、ボク保健室のせんせと仲いいからさ」

梅「へー…まぁ、意外ではないかも。」

千夏「…君、友達いないの?」

梅「う、うるさいな…仕方ないじゃん…僕中学からこっちだし…」

千夏「へー…、じゃあ僕と同じだ。」(救急キットの蓋を閉じ、顔を上げる)

梅「え、そうなの!?へ、へー…小学校どこだったの?」

千夏「愛知」

梅「え、なんか意外…。全然方言でないよね」

千夏「話が通じなきゃ意味ないじゃん?」

梅「確かに…?」

千夏「君はどこだったの?」

梅「広島」

千夏「へー、じゃあここは岡山だから隣県だねー」

梅「うん。」

千夏「こっちの人も言うてあんまり方言でなくない?」

梅「まぁ、僕は使わないようにしてるかな…」

千夏「ふーん」

???「あんたらいつまでここにいる気?」(保健室のドアがガラッと開き女性が入ってくる)


 


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