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――夜。
リビング。
高良がいる。
愛空はドアの前で立ち止まる。
(普通にする)
(普通にするだけ)
深呼吸。
愛空「……ただいま」
高良「おかえりなさいませ」
――いつも通り。
それが、逆に刺さる。
愛空「……ねえ高良」
高良「はい」
愛空「……さ」
高良「?」
愛空「ウチのことさ」
高良「はい」
愛空「本当に家族だと思ってる?」
高良「……はい」
即答。
一切迷いなく。
――その瞬間。
何かが、切れる。
愛空「……そっか」
笑う。
でも、目は笑ってない。
愛空「ウチは違うよ」
高良「……」
愛空「家族とか思ってない」
高良「……愛空さん」
愛空「好きだよ」(はっきり)
――空気が止まる。
高良「……」
愛空「ずっと好きだった」
愛空「気づいたの最近だけど」
愛空「でももう無理」
愛空「隠すの無理」
――言葉が止まらない。
愛空「恋人いるのも知ってる」
愛空「邪魔なのも分かってる」
愛空「でも――」
一歩近づく。
愛空「……それでも好き」
――沈黙。
重い沈黙。
高良「……申し訳ありません」
その一言で。
全部、終わる。
愛空「……知ってる」(笑う)
愛空「知ってた」
愛空「分かってたよそんなの」
――でも。
愛空「……無理なんだよ」(小さく)
声が震える。
愛空「止められないんだよ」
愛空「どうしたらいいのこれ」
――答えなんて、ない。
高良は何も言えない。
言える立場じゃない。
愛空「……ねえ」
高良「……はい」
愛空「どうしたらよかった?」
――その問いに。
高良は、答えられなかった。