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夢は裏切らない
「…」
結局引き込まれてしまって歴史書を読み漁るようになった
何なんだ,この妙な懐かしさは
「そろそろ眠るか」
(サルデーニャ,思い出した?)
(…違う,イオはこんなこと…そんなわけ,ない…)
(…そっか)
(イオが傷つけたんだ…)
(ごめん)
「…あ」
私は…
「うぁっ⁉︎」
頭が…
(シチリア)
(サルデーニャ)
(イオ)
(夢)
(統一)
(ガリバルディの赤シャツ千人隊)
「はっ⁉︎」
そうだ…そうだった
「イオは,サルデーニャ…
そして,あの子はシチリア」
そして…
「イオは,数十年間もシチリアのことを…」
傷つけてきたんだ
「嘘だ,そんなわけない,嘘に決まっている」
でも,記憶がそう言っている
そんなわけないのに
「嘘だ!」
「サルデーニャ!」
「は…」
シチリア…
「サルデーニャ,思い出した?」
「違う,イオは…そんなこと…そんなわけ,ない…」
「おちついて,大丈夫,もう大丈夫だから…」
「…イオが,傷つけたんだ…そっか…そうだ…」
「気にしていないから,もう平気だよ
もう楽になっていいよ」
「ごめん…ごめん…」
「良かった…やっと思い出してくれた…」
「イオ…イオは…」
「もういいよ
今は再会のことだけ考えていよう
良かったぁ…」
「う…ヒック…シチリア!」
「大丈夫,大丈夫だよ」
「うわあああああん!」
「あ,そういえば皆さんに紹介すべき人がいて…」
「イタリアが?」
「え,誰だろ」
「チャオ!イタリアなんね!」
「「「え,ええええええええええええ⁉︎」」」
「サルデーニャの方⁉︎」
「戻ってきたのか⁉︎」
「まあ,そういうことです」
「ということで,よろしくなんね!」
「…何だわざわざ」
「西ドイツはそろそろ潮時かな〜って」
「統一するまでの命だからな,まあそんなもんだろ」
「…随分と丸くなったんね」
「勘がいいな,半島の奴らは 」
「そりゃあんだけ警戒したオーラを見逃すわけないんね」
「そりゃど〜も
注目してくれてるって体で受け取っておくよ」
「なんか不服なんね」
「そうかい」
「まあただ,イオが一つそっちに感謝してることは
一つのことに執着しすぎるのはやめようってことを知れたなんね」
「フッ,俺を反面教師にでもしたのか?」
「そうでもあるし,自分の経験もあるんね」
「どういうことだ?」
「イオは実は予知夢が見れるんね」
「…不思議なこともあるもんだな」
「まあ,だからその予知夢に従ってそっちのこと避けてたんだけど
気にしすぎるのもなんかな〜,ってなったんね 」
「へぇ〜」
「事実空回りすることもあったし,まあただ能力自体はしっかり使いこなせばいいだけなんね」
「…そうかもな」
「だから,恨み言はここまででチャラにしてあげるんね」
「…ありがとうな」
「うわびっくりしたんね!いきなりガチトーンになんないんね!
ほんとそういうちっとも感じてない感情演じ切ることだけは得意なやつなんね…」
「そんなやつですまなかったな」
「じゃ,いろんな意味でいってらっしゃいなんね」
「…ああ」
「…予知夢,か」
知ってるか?その能力は神聖ローマ帝国が持っていた能力なんだ
まあそれゆえ疑心暗鬼になり滅びたらしいが
俺にはどうでもいいことだな,あんなやつ
だが,アイツとお前は違うところが一つある
許せるか
これだな
まあ,今となってはそんな力があろうとなかろうとこれ自体俺しか知らない話だからな
どうでもいい
あと,あのありがとうは本気だ
昔っから戦乱の中にいて,恨みしか知らない俺に
許しをくれたのはお前が最初で最後だろうからな
じゃあ,大人しく統一して(しんで)くるよ
「あばよ」
「イオの仕事多すぎるんね〜!」
「いやそれぐらい終わらせろ」
「スペイン助けてなんね!」
「いやなんでや!ウチ関係ないやろ!」
「う…こうなったら最終手段…シチリア〜!」
「ちょっと!何でよ…」
「一応そっちだってイタリアなんね!」
「自分のことぐらい自分でして!」
「うわ〜ん!」
すっかり夢は見なくなったんね
でも幸せなんね
平和な世界,平和な心
こういうのでいいんね
「はぁ…貸せ,少し手伝ってやる」
「へ,本気なんね⁉︎ありがとなんねドイツ!」
「あとは自分でやれよ」
「分かったんね!」
夢は夢のままで
受け継がれていく