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御高覧ありがとうございます。

よりわかりやすい作品にするため、今一度登場人物を紹介します。

(すこし割愛させていただきます)


ー登場人物紹介ー

『’主人公’ちはる

幼い頃父と母が離婚。シングルマザーで育てられた。

ひびき』ちはるの彼氏。砂時計の製作工場で働く父と母をもつ。

ひびきの祖父』若い頃砂時計製作工場を立ち上げた。ひびきが小学生のときに他界。

担任』ひびきとちはるの担任の教師。

ひろと』クラスメイト。ひびきと仲がいい、お調子者。

りん』クラスメイト。ちはるの幼馴染で、ずっとひびきのことが気になっているが、2人には隠している。(1話で登場)




学校のチャイムが鳴る。

担任:

はい着席ー。

えー、先週の金曜日に佐藤(ちはる)が事故にあった。先生も詳しいことはわからないが、しばらくの間は学校を欠席するそうだ。このことはあまり広めないようにな。


生徒たち:

まじかよ…大丈夫か?

えー、ちはるんこないと寂しいなぁ

いま入院してるってことかな?

お見舞いとか行きたいな〜


……ザワザワザワザワ……



担任:

はい静かに。今は面会も難しいようだ。

しばらくの間はそっとしておいてやれ。

とりあえず、朝の報告は以上。


少ししてクラスは静まった。


ひろと:

そーいや、今日ひびききてねーよな。

あいつも事故ったか?


にやけた表情をしながらひろとが問いかける。


りん:

変なこといわんとってよ。わたし、帰ったらひびきとちはるにメール送ってみるわ。


ひろと:

りんもひびきもケータイもってていいよな〜。

それじゃたのむわ。


いつもと変わらない学校がおわる。


ひびきは、ベッドの中にいた。

ケータイの通知音がなる。

覚悟を決めたひびきは、仲のいいりんに全てを伝えた。

ひびきは、ちはるのことで親と口喧嘩し、丸一日話していなかった。



ー1日前ー


家のドアが開く。

ひびきの母:

あらずぶ濡れじゃない。どうして傘ささなかったのよ。ほら、早く拭きな。

ひびきは何も言わずに髪を拭き始める。


ひびきの母:

それで、ちはるちゃんの様子はどうだったの?


ひびきはちはるの見舞いに行く前に、母にその旨を話していたことを後悔した。


ひびき:

命に別状はないって……

けど……き、


出かけたその言葉は、音になることなくどこかへ消えてしまった。

ちはるの現状を受け止める。そう覚悟したひびきだったが、その言葉を口にする勇気がまだなかった。それを言うことで、現実だと自覚してしまうから。


ひびきの母:

けど?


ひびき:

いや、なんでもない。

まだ安静にしてないといけないらしい。


そう言ってシャワーを済ませ、服を着替えた。

母とは話さないまま、夕食の時間になった。


ひびきの母:

なにかあったんでしょ?

顔をみたらわかるわ。いってごらん?


ひびき:


記憶がなくなったらしい。

すくなくとも、俺のことは覚えてなかった。


ひびきの母:

そうだったの……。

ちはるちゃんのお母さんは亡くなったんですってね…。

…ひびきは無事でよかったわ…。


ひびき:

いいわけないよ…

ちはるは、父ちゃんも親戚もいないんだよ?お金だって……

だから、しばらくこの家に住ませてやらないかな?


ひびきの母:

残念だけど、それは無理よ。ひびきもわかってるでしょ?お父さんとお母さんはほとんど働きっぱなしで、それでもお金の余裕なんてないのよ?


ひびき:

それはわかってるけど。このまま見放すなんてできないよ。ちはるは俺の彼女だよ?少しくらい俺の気持ちもわかってよ。

ひびきの母:

あなたの気持ちはわかるわ。

でも、冷静になりなさい?

つらいのはあなただけじゃないのよ?


ひびきはその時わかっていた。母さんもちはるも悪くないことを。仕方がないと言うことを。

しかし、気づいた時にはその言葉が出ていた。



ひびき:

母さんって…薄情だね。

砂時計なんてまだ作ってるから、こんな貧乏なんだよ。


ひびきの母:


またそれを言うの?これはおじいさんから受け継いだ大切な仕事なのよ?

塾のお金もご飯だって全部家族のためにお父さんも母さんも働いてるのよ?

なんでそんなにひどいことが言えるの…


ひびき:

もういいよ。

塾だって俺が入りたいなんて言ってないし。

やめさせたければそうすればいいじゃん。


そう言い残してひびきはベッドに潜った。

自分の過ちに気づいた頃には、夜はふけ、あたりは真っ暗になっていた。


このまま寝てはいけない。謝らなければいけない。そう強く思ったひびきは、階段を下りリビングへ向かう。

その先には、俯いた母の姿があった。


ひびき:

さっきはごめん。あんなこと思ってないんだ。

俺が…悪かった。


ひびきの母:


うちに泊めてあげましょう。


ひびき:

え?

…いいの?


ひびきの母:

ええ。

わかってたわよ。あなたがそんな子じゃないくらい。それに、おじいちゃんがいつも言ってたでしょ?無駄なことなんてないって。ちはるちゃんのためにも、ひびきのためにも、きっといい方向に進んでいけるはずよ。


ひびきは感謝を伝え、肩の力が抜けたのか、ベッドに入るとすぐ寝てしまった。


ーーー現在に戻るーーー


りんには、ちはるが記憶喪失になったことだけを伝え、家に泊まらせることは伝えなかった。



2度目の、

ちはるとの嬉しくて、悲しい生活が始まる




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