ため息混じりで俯いてると、
「今日、友達と一緒じゃないの?」
とどこからか声が聞こえてきた。
『まさか』と思い、無田くんを見ると
「なんかあった?」
と聞いてくる。
「無田くんって声出るの!?」
と驚いて心の声がダダ漏れてしまった。
「もしかして出ないと思ってた?」
「当たり前でしょ!!」
と言いながら立つ。
「普通に出せるけど…」
じゃあなぜ自己紹介からずっと喋らない?!
「え、でも自己紹介からずっと喋ってる姿見たことないし…」
「それどころかペアワークのときだって筆談だったじゃん!!」
そう私が食い気味に言うと、
「面倒臭いから」
面倒臭い!?
たかが声を出すだけなのに!?
そんなことを話していると休み時間の終わりを
告げるチャイムが鳴る。
「休み時間終わったね」
色々出来事がありすぎて意味分かんないんだけど…。
「教室行かないと遅れるよ?」
「今行くよ..」
そう言いながら一緒に階段を降りていく。
そういえばこいつ、
みんなから無駄人間ってイジられてるけど、
話しやすい奴だと思うんだけどなぁ…。
「あ、」
そう言って前を歩いていた無田くんが振り返る。
「今日一緒に帰る?」
「そうだね!!色々聞きたいことあるし!!」
そう私が言うと
「今めっちゃ早口だったよ」
と笑う。
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