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その日の夜。
信愛は静かな部屋で、あの日のことを思い返していた。
「この前はありがとうね、佳苗」
照れくさそうに笑う佳苗は、小さく頷く。
「私・・・信愛の力になれた?」
その問いに、信愛は迷うことなく笑顔を浮かべた。
「うん!もちろん!佳苗が居なかったら
千歳さんを救えなかった」
「えへへ、よかった」
だが、その言葉を口にした瞬間、信愛の表情が曇る。
「でも・・・」
その視線の先には、静かに立つ千歳の姿があった。
思わず大きなため息が漏れる。
「はぁ~・・またやっちゃった」
千歳は苦笑しながら信愛を見つめる。
「ちょっと、私の顔見てため息つかないでくれる?」
「ご、ごめん。そういう意味じゃなくて」
佳苗から事情は聞いていた。
だからこそ、千歳は確認するように尋ねる。
「本当なの?今の私が完全な霊じゃなくて
人間とのハーフみたいな存在だなんて」
信愛は静かに頷く。
「佳苗を祓った時と全く同じ
状況だから間違いないと思う」
千歳は信じられないというように目を伏せた。
「信じらんない・・・」
しかし現実は変わらない。
信愛は頭を抱えた。
「はぁ・・どうしよう、お母さんに何て説明しよう」
千歳は不思議そうに首を傾げる。
「怒られるの?」
「た、多分・・・」
佳苗の時、母から『次からは慎重に行動しなさい』と厳しく言われたばかりだったからだ。
信愛が頭を抱えたまま黙り込んでいると、不意に部屋の外から銚子の声が響いた。
「信愛?入るわよ?」
信愛の全身に緊張が走る。
「やばい!お母さんだ!」
千歳も顔色を変えた。
「え?やばいじゃん」
「と、とりあえず千歳さんは座ってて!」
「え?で、でも──」
「いいから!私に話を合わせて!」
「わ、分かった・・・」
震える声で返事をしたところで、信愛は覚悟を決める。
「あ、入っていいよ」
ドアが開き、眺子が部屋へ入ってきた。
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ありあ
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「今日の晩ご飯なんだけど、たまには外で──」
そこまで言いかけた銚子は、部屋の中を見回して目を瞬かせた。
「あれ?お友達来てたの?」
一瞬だけ言葉に詰まりながらも、信愛はぎこちなく笑う。
「あ、う、うん、そ、そうなんだ」
そして、祈るような気持ちで千歳へ視線を送る。
「ね?千歳?」
千歳は喉を鳴らし、小さく息を飲み込んだ。
「あ、は、はい・・・」
ぎこちない笑みを浮かべながら、必死に頭を下げる。
「お、お友達・・です・・・はい」
その返答を聞いた眺子は無言のまま二人を見つめる。
信愛は、ごくりと生唾を飲み込んだ。
コメント
1件
×××さん、第62話読みました。千歳の正体がハーフみたいな存在ってわかった後、信愛が「またやっちゃった」って思うところ、すごく彼女らしいなって思いました。それにしても、お母さんが突然来たときの二人の慌てようが可愛くて笑っちゃいました。無言で見つめるラスト、次の展開が気になります!