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「あはは、ちか久しぶりだねもう何年ぶりかな、L〇NE送っても全然返信ないからさ、新しい携帯教えてよ」
変態仮面のL〇NEは完全無視してただけで、携帯は変わって無いんだけど、何となく雰囲気で感じとってほしかったが、やはり天然には無理だったか。
「最近匂いが薄くなってしまってね寝れないんだ、撮影にも影響するし新しいのを貰えないかと思ってね? 」
―――何の事よ……
「やっぱりお兄ちゃんは、ちかの脱ぎたて――――」
パチーンと兄の頬に紅葉が出来た。途端に場内がざわつき部長が慌てて飛んでくる。
「どっ⁉ どうかされましたでしょうか⁉ 」
続けてガシャンと奥のテーブルでグラスが賑やかにはじけ飛び、楓が鬼の形相で立ち上がる…… 色々と大騒ぎだ。マネージャを呼びつけこっちを指差し何かを叫んでいる。
これはもうどうしようもない、面倒になるがバラすしかない。この場を納める為、実は兄妹なんですと説明する。諸々に決着が付き場内の騒ぎもひと段落した頃に、兄が語り出す。
私のパンツのお蔭でオーディションに合格し芸能界入りを果たせた事。パンツを枕に被せて寝るとぐっすりと寝れる事。拒食症がパンツの匂いを嗅ぐと不思議と食欲が増した事。そんなくだらない事を熱量を込めて力説された。
―――変態の戯言。全く響かん……
「ねえ、何で此処が分ったの? 」
「あぁ母さんが教えてくれてね。大学辞めて六本木のキャバクラで働いてるって、店の名前までは分からなかったからネットで検索したんだよ」
「ネットで? 」
「うん、人気#ロリ系#キャバ嬢で検索したら、一発だったよ? あはははは」
―――はぁ……
「じゃあさ、パンツあげるからボトルとシャンパンね? お兄ちゃん売れっ子なんだからお金あるんでしょ? 」
「お金あるけど、僕は今、ちかが履いてるパンツじゃなきゃ嫌だよ? 出来ればお兄ちゃんの前で脱いで欲しいな」
「無理だから、絶対お兄ちゃん手ぇ出すもん」
「ははは馬鹿だなぁ、そんな事する訳ないだろ、僕達は兄妹なんだよ? 」
腰に手を回し力強く引き寄せる……
「見ないうちに、すっごく可愛くなったね。堪らないよ僕…… 」
「しっつれ~ しま~すぅ」
唐突にピンク頭乱入!!
「しつれいします。いちかさん、お願いします」
マネージャーに促され救われる……
「お兄ちゃん、もう帰って」
「嫌だ!! 帰らない!! 帰らないぞう」
長い夜はまだ始まったばかり……