※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
〈File29:父子の肖像〉
目配せをし、彼女がインターホンを押す。
そして――。
「……どちら様ですか?」
玄関を開けたのは、分厚いメガネをかけた中年というには少し若い男性だった。
視線を俺へ、彼女へ、そしてフジへ落とす。
しっかり目があったにも関わらず、男の目はフジを素通りし、また俺へと戻ってしまう。
そして人の好さそうな顔を傾げ、「あの」と戸惑った声を上げた。
「突然お伺いしてすみません。林田探偵事務所の調査員、佐伯と申します」
緊張か不安からか言葉を見つけられないフジに代わって、彼女が名刺を差し出す。
「失礼ですが、佐藤誠さんでお間違いないでしょうか?」
「ええ、佐藤誠は僕ですが……探偵さんがうちになにか?」
佐藤誠は華奢な体つきで、わずかに脚が外向きに変形し*********
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