テラーノベル
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恩師の鍋島さんから電話で説得されている。品の良い老人の声だが、後ろにある圧がすごくて俺は気圧されている。
恩師は言った。
「いいから、和泉さんと言う人にお願いして2人とも連れてきなさい」
「いや、でも部下ってだけですし……」
「本丸は和泉さんじゃないって、わかっているだろう?」
「それはそうですけど……」
「金谷千歳さんとは知り合っておいたほうがいいよ、蒼坊。お前の将来のためだ」
「でも……」
「でももヘチマもない。嫌なら、お前のいない所で2人にお前のことを頼んでしまうよ」
そ、そんな、自分の生まれのことを俺のいない場で勝手に話されるなんて……嫌だ!!
俺は降参した。
「……連れていきます……俺もそっち行きます」
「よろしい。では、年明けに期待しているよ」
「はい……」
電話が切れ、俺は天を仰いだ。
鍋島さんひどいよ。俺の生まれのこと、知ってる人は親だけだよ。俺が、自分から誰にも話してないって知ってるくせにさ。
コメント
1件
あら、久慈さんの弱気な感じがすごくリアルだった……恩師の鍋島さん、上品な声なのに圧がすごくて、私も読んでて背筋が伸びたよ。自分の生まれのことを勝手に話されるって脅し、効きすぎじゃない?笑 蒼の将来のためにって言われても、本人の気持ち無視して強引に親睦を図らせる大人の事情、ちょっと胸がチクッとした。でも、こういう「嫌だけど大事な人だから逆らえない」もどかしさ、ちゃんと書けてて好きだな。
#幽霊
凛道桜嵐 新
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