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職場中の、誰も私が援交してるなんて思ってもいないだろう。


何故なら私は…いい子だから。






「…よし。今日も完璧。」


鏡に映る自分に向かって呟き、じっとその姿を見つめる。


透き通るような白い肌に、ほんのりピンク色のチークがよく映えている。


ぱっちり二重のくりくりした目に、薄い唇。自分で言うのもなんだが、かなり可愛い方だと思う。


満足した私は、パチン、と鏡を閉じると肩まで真っ直ぐに伸びている自慢の黒髪を1つに束ねる。


そして、息を大きく吸い込み、目を閉じてイメージした。


みんなの中の私を。


(営業スマイル。…よし。)


にっこりと口の端を上げ、完璧な笑顔を作ると扉を開けた。





「おはようございまーす!!」


元気よく声を張り上げて歩いていく。すれ違う人達全てに愛想を振り撒き、進む。



ここは、市内にある小さなスーパー。私はそこで、正社員として働いている。藤塚美里亜、20歳。


「藤塚さんおはよう。今日も元気ねー。」


「はいっ!!私、やる気めっちゃあるんで!!頑張ります!!」


私の反応を、周囲のパートさん達は微笑ましそうに見守っている。


「ほんと、いい子よねぇ。今時若い子で、珍しいわー。」


「そうね。うちの娘にほしいくらい。」

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