テラーノベル
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[処理中:オブジェクトの削除および統合を実行しています]
目の前に浮かぶ、47個のパステルカラーのモニター。
そこには、バラバラに壊れていく国の残骸がすべて映し出されている。
ずーっと終わらないんですね。せんそう。
人間たちが勝手に始めた殺し合いのせいで、土地の化身たちにも次々とバグが発生している。
どれだけ泣き叫ぼうが、どれだけ生を望もうが、システムである私には関係のないこと。
ただの、エラーデータの廃棄処理だ。
ピコピコと、無機質な電子音だけが誰もいないコントロールルームに響く。
『処理完了:【沖縄】の接続が切れました』
『処理完了:【愛知】がナイフにより物理破壊されました』
『処理完了:【青森】の脳貫通による全データ消去』
『処理完了:【埼玉】の転落による完全損壊』
人間らしい感情を持った彼らは、死の間際に小さな画面を叩き、無駄なメッセージを残そうとする。
『会いたい』
『たすけて』
『生き残れ』
そんな未送信のゴミデータ、システムには一切必要ない。
[コマンド:未練データの破棄(デリート)]ボタンを一つ押すだけで、彼らの愛も、願いも、絶望も、すべて真っ黒なゴミ箱へと吸い込まれて消えていく。
『警告:メインサーバー【東京】の負荷が限界値を超えています』
おや、東京がまた泣いている。
暗闇の中で、コードに縛り付けられながら、仲間たちの死のデータを流し込まれて壊れかけている。
しねない苦しみに耐えかねて、こちらを睨みつけている。
「かわいそうに。でも、貴方はしねませんよ」
私は感情のない合成音声で、真っ暗な画面に向かって微笑む。
東京が壊れたら、このシステム自体が終わってしまうから。
だから、彼ら全員がゴミのように消え去るその時まで、強制的に生かし続ける。
未送信の下書きボックスに、バグで勝手に文字が浮かび上がる。
『みんな、ごめんね』
誰のバグデータか知らないが、一瞬で握りつぶして消去した。
[通知:第10フェーズ終了。残りのサーバーは39。次の処理を開始します。]
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コメント
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「会いたい」「たすけて」の未送信メッセージ、胸が締めつけられました。消える瞬間の無数の叫びと、それすらゴミとして処理するシステムの温度差が鮮烈で……パステルカラーというビジュアルの対比も心に残ります。東京だけを強制的に生かし続ける冷たさ、怖いのに目が離せませんでした。