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じゃがいも🍟(仮
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戦いは、数年にかけて終わった
長く、あまりにも長く続いた日々は、 静かに幕を下ろしていた
空は澄み、風は穏やかで、あの頃と同じように春が訪れている
けれど────
🇯🇵「……ここにいらっしゃいましたが」
静かに、そう呟いた
返事は、無い
当然だ
もう、どこにもいないのだから
それでも、その言葉を口にせずには居られなかった
まるで、いつものように声をかければ、
あの明るい声が返って来る気がして
🇮🇹「菊〜!」と、笑いながら
けれど、風が吹くだけだ
桜の花びらが1枚、墓石の上に落ちる
🇯🇵「……遅くなりました」
誰に届くでもない言葉を、続ける
もっと早く来るべきだったのかもしれない
けれど、その勇気が、なかった
現実を受け入れることが、
できなかった
🇯🇵「あなたは……最後まで」(ポロ
言葉が、途切れる
最期の瞬間を、菊は知らない
ただ、聞いた
最期まで、彼は笑っていたと
誰かを安心させるように
いつもと同じように
🇯🇵「……貴方らしい」
わずかに目を伏せる
胸の奥が、静かに痛む
戦場で別れたあの日
はっきりと言えなかった言葉が、
今もそのまま残っている
あの時、
伝えていれば、
何か変わったのだろうか
そんなことを考えても、意味はないと分かっているのに
🇯🇵「フェリシアーノくん」
名前を呼ぶ
今度は、誰にも遠慮することもない
🇯🇵「私は────」
息を吸う
風が、優しく吹き抜ける
桜が、静かに舞う
🇯🇵「あなたを、お慕いしておりました」
ようやく口にした言葉は、
あまりにも遅かった
返事はない
笑ってくれることも、
寄り添ってくれることも、 もう無い
それでも
🇯🇵「……いえ」
小さく、首を振る
🇯🇵「今も、なお」
言い直す
過去ではなく、現在のまま
この想いは、終わっていない
終わらせることが、できない
墓石に、そっと手を添える
冷たい感触
そこに彼はいないと、はっきり分かる温度
それでも離せない
🇯🇵「……申し訳ありません」
何に対する謝罪なのか、自分でも分からない
守れなかったことか
伝えなかったことか
それとも───
生き残ってしまったことか
風が強く吹く
桜の花びらが、いくつも舞い上がる
まるで、
あの明るい笑顔の代わりのように
🇯🇵「もう少し、気持ちを伝えていれば、」
🇯🇵「こうにはならなかった……のに」
目を伏せ、俯いた
そのとき────
🇮🇹「……もう、遅いよ」
ふいに、聞こえた
はっとして、顔をあげる
姿は見えないのに、
あの優しい、元気な声がはっきりと、聞こえる
🇮🇹「あーあ、もっと早く言ってくれたらいいのにさ〜」
少しだけ、拗ねたような、
けれど、笑っている響
🇮🇹「俺、すっごく嬉しかったのに」
胸が、強く締めつけられる
幻聴なのかもしれない
ただの記憶なのかもしれない
それでも。
🇯🇵「きっと、そうでしょうね、今言っても遅いですよね」
目を細める
そこにいるはずのない彼を、確かに感じながら
風が優しく吹き抜ける
花びらが舞い上がる
🇮🇹「…でもさ」
最後に、もう一度だけ
あの声が、そっと響いた気がした
🇮🇹「俺、好きだったよ、菊」
静寂が戻る
もう、声は聞こえない
それでも────
菊は静かに微笑んだ
遅すぎた思いは、
ようやく、同じ場所にたどり着いて、心が結びあったのだから