テラーノベル
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ジャスティンと竜馬が夜な夜な遊ぶ仲になっていることは、ハイスクールでも話題になっていた、何故ならあの容姿のジャスティンは、ホールストリートでも、ハイスクールでも、良い意味でも悪い意味でも、有名人だったからだ
ハンサムすぎて少し不良(ワル)なジャスティンが、竜馬を気に入って連れ回していると、学校の女の子達の間でも噂が立っていたし、男子学生には、二人が夜な夜な何か悪さをしていると、噂をしているものもいれば
ジャスティンと一緒に遊びたい女の子達が、竜馬に注目し、今までは冴えないグループにいて目立たなかったがもともと見栄えが良い竜馬が、ハーレーで通学し出してからは、その後ろに乗せてもらいたいと思う、女の子達がザワつき始めていた
そして、昨日は竜馬がロッカーの扉を開けると、ラブレターは5通に増えていた
ジャスティンは、地元でも比喩的にも実際にも「腹のある男」として周りのティーンエイジャーに、尊敬の念を思わさせるほどの人物だった
その彼の庇護の下にある以上、竜馬の身の安全には一抹の不安もなく、街の不良達にも、自然と竜馬の存在が認められていった
。 .:・.。. .。.:・
アメリカを横断している国道ルート66沿いにある「サーティーワンアイスクリームショップ」のスチール製の椅子に向かい合わせに座って、竜馬とジャスティンがいた
ここはサーティーワンアイスクリーム、とカフェが繋がっていて、街の不良仲間のたまり場となっていた
髪をスプレーで膨らませたウェイトレスが、トレイに竜馬が注文したジェリードーナツを皿に二個持って来た
「ハーイ♪!午後から雨が降ってくるわよ」
「え?そうなの?どうしてわかるの?ナンシー」
竜馬がナンシーと言う、ウエイトレスに聞いた
「空気が湿気ると、あたしの髪が膨らまなくなるから、わかるのよ」
と二人のカップにバシャバシャコーヒーを注ぐと、不機嫌に去って行った
もう充分膨らんでいると思うけど・・・竜馬はそう思ったけど口には出さなかった、そしてジェリードーナツをかじりながら目の前で眉間にしわを寄せて、英語吹き替え版のドラえもんの漫画を読んでいる、ジャスティンを見ていた
竜馬がホールストリートにある「セントマイルズリサイクルショップ」で見つけて、ジャスティンにプレゼントしたのだ、あそこの仕入れルートは、いったいどうなっているのだろうと不思議に思うのだが
毎回店を訪れると、思いもよらない商品が新しく入荷しているので、とにかく日用品から日本製品まで、何でも置いているあの店が好きで、今や竜馬はあの店の常連になっていたし、格安で調達できる古着を、カルロスが酔っ払って寝てから洗濯機を使って丁寧に洗濯して着ていたので、学校でも女の子達にファッションセンスゼロの烙印はなんとか押されないで済んだ
竜馬はこの学校でも、日本の高校のように、制服制度を取り入れてくれたらいいのにと思っていた
ドラえもんのコミックを読み終わって、パタンッとページを閉じたジャスティンが、険しい顔つきで竜馬を睨んだ
「竜馬・・・このままではのび太は、ドラえもんに頼りっきりでダメな人間になってしまう、この二人は引き離した方が絶対いい!!」
「それはそういう物語だから何とも・・・そういうものなんだ、あと映画になったらのび太は勇敢なヒーローになるし、意地悪なスネ夫も、ジャイアンも、良い人になるってのもあるし・・・」
竜馬は藤子不二雄を擁護した
「いったい日本はどういう国なんだ?こんな何でも人任せな大人になったらどうやって自尊心を養うんだ!このコミックはけしからん!!ドラえもんは何でものび太の希望を叶えるんじゃなく、人としての道理を教えるべきだ!!」
「ドラえもんにそこまで腹を立てる人に初めて会ったよ・・・」
呆れて竜馬は言った、そこへ地元の女の子達が慌てて入って来た
「ジャステイン大変!!セドリックが暴れてるの!早く来て」
「セドリックが?」
ガタンッとジャスティンが立ち上がった、咄嗟に竜馬も立ち上がった
ジャスティンと一緒にいるとこういうことが良く起こる、街の不良はみんなジャスティンを頼りにし、みんなもめごとはジャスティンが解決してくれるものと思っている
そして竜馬もそんな一人だった
「来い!竜馬!」
竜馬は慌てて、ジャスティンの後を追った
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桃下結衣
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コメント
1件
うわー、ジャスティンがドラえもんにマジギレしてるの最高に笑った(笑)「このままではのび太はダメな人間になる」って真剣に心配するところ、アメリカの不良の鑑すぎる。竜馬が日本代表として藤子不二雄を擁護する構図も面白いし、サーティーワンでたむろする不良たちの緩い空気感がすごく好きです。二人の距離感がじわじわ縮まってる感じが伝わってきて、次が気になる!