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※ここから時系列ぶっ飛びまくります。頑張ってください。
司令さんと付き合ってから2週間くらい経った。
生活は付き合う前と特に変わらず、何事もない日々を過ごしていた。
強いて何か変わったと言うなら、めっちゃ快眠なのと、なんだか最近胸の辺りと下半身?がビリビリする気がする。まぁ多分気のせいだろう。あと、司令さんは、最近熱心にスマホを見ている。なんか調べ事でもしてるんすかね?
ふと、窓越しに飛行機が見えた。
飛行機はあっという間にどこか遠くへ行ってしまった。
何故か、いや。理由は分かるが、
俺はその飛行機を見えなくなっても見続けていた。
司令さん『…寂しいか?』
「…そりゃあ、寂しいっすよ。あともうちょっとで帰らないとなんすから、」
俺は、一応大学生だ。だから、夏休みが終わる前に帰らなければならない。
「ハイカラシティは一駅分なのに…。バンカラ地方はなんでこんなに遠いんすかね。」
司令さん『…あぁ。本当にな。』
ピコピコ
ピコピコ、ピコピコ…
そんな会話をしていると、スマホから通知音が鳴った。沢山。
俺は慌ててスマホの画面を見る。
クサヤ温泉か。
あそこら辺の温泉街は結構有名らしい。
ちょっと気になってたし、この機会に行けるのは嬉しい。
司令さん『クサヤ温泉には、一度行ったことがある。温泉も良かったが、旅館もいい感じだった。』
「へぇ!そうなんすね!楽しみになってきたっす!」
そういえば、8号も大学生か。
ていうか、3号は高校生だったっけ…。なんかコミュ力ありすぎてあんまりそういう印象ないよな…。陽キャ怖
そんな事を考えながら、返信をした。
ほんと、このグループ内はあったかい。
俺は温泉が楽しみで仕方がなくなった。
夜になった。
荷物をまとめてから寝ようと思い、少し小さ目のキャリーケースを押し入れから取り出して広げた。
俺は着替えとか、カードゲームとかを詰めていった。
ふと、後ろを振り向くと司令さんが居た。
「司令さんも準備っすか?」
司令さん『あぁ。……楽しみだ。』
「そっすねぇ。俺も楽しみっす!」
司令さん『本当に…な。
あ、今からコンビニに行ってくるが…欲しいものはあるか?』
「え?…うーん。じゃあ明日食べる朝ごはん買ってきて欲しいっす。俺、コーンマヨパンで!」
司令さん『わかった。行ってくる。』
「ちなみに何買いに行くんすか?」
司令さん『…….大したものではない。』
「え?」
司令さん『行ってくる。』
「あ、…行ってらっしゃいっす!…?」
うーん。司令さん、なんで答えてくれなかったんだろ。
まぁいっか。
支度が終わったので、やることを終わらせて寝る事にした。
司令さんはまだ帰ってきてないけど、しょうがない。
俺は瞳を閉じた。
次の日
いつもより早起きで、朝8時。9月とは言えやはり朝なので少し寒い。
俺はベッドから体を起こすと、司令さんはもうソファに座って朝食のおにぎりを食べていた。
「おはようございますっす。司令さん、結構早起きっすね。」
司令さん『おはよう。4号は沢山寝るんだな。』
「まぁそうっすね。あ、そういえば。俺、最近怖いくらい快眠なんすよね。寝付けないことが全然無くて。気でも失ってるかのような…。」
司令さん『…..そ、そうか。まぁ寝付けないよりいい事だと思う。』
「それはそうっすね!よし、俺も朝飯食うっす!」
司令さんと朝食とったあと、身支度を済ませ、
決めておいたバス停まで向かった
バス停に着くと、3号と8号がもう先に着いていた。
3号はすぐに俺達に気づき、ブンブンと手を振ってきた。
3号「あ!パイセンに司令サン!おっはよーございます!」
「おはよーっす。」
司令🖐
8号「…オハヨウゴザイマ…….」
8号は首をカックンカックンさせながら3号に寄りかかった。
3号「えっへへ。はちちゃん、やっぱり眠い?」
8号「…ハイ」
「あれ、オクタリアンは早起きが得意って聞いたんすけど…」
3号「昨日はワクワクして寝れてなかったもんねぇ。」
8号「ハジメテ、ナノデ」
「確かになかなかこんな機会ないっすもんね。俺も楽しみだったっすけど…何故かめっちゃ快眠だったっす」
3号「ほぇ〜!パイセンはめっちゃ寝る感じなんですか?」
「いや…..何故か最近めっちゃ快眠なんす。なんでだろ…?」
3号「…ふーん?」
うーん。これは、
私は司令サンの方をチラッと見た。
司令サンはあきらかーにギクッとしてそっぽを向いた。
絶対なんかやってんなぁ
いいぞ!もっとやれ!!!
てか、これもしかしてもう付き合ったのか?
パイセンアタックしたんか!?
しばらくして、1号たちも到着したのでバスに乗った。
1、2号ペア、3、8号ペアで座った。
もちろん俺の隣は司令さんだ。
バスが微かに揺れはじめた。もうすぐ出発するようだ。
俺は通路側だから、横に座ってる司令さんの顔しか見えないけど…別に悪い気はしない。
そんなことを思っていると、司令さんが有線イヤホンの片方を差し出してきた。
司令さん『シオカゼの星。聞くか?』
「聞く…っす。…..ありがとうございますっす。」
ちょっと恥ずかったけれど、俺はイヤホンを耳にさし目を閉じた。
静かなイントロが流れ始める。
司令さんは、シオカラーズの大ファンだ。もちろん、俺も。
当の本人達が後ろに座ってるなんて本当に奇跡なんだなってしみじみ感じる。
だんだん瞼が重くなってきた。
視界が暗くなったり、明るくなったり繰り返しているうちに、
朝早くに起きたからだろう。
俺は、いつの間にか眠りについていた。
【朗報】パイセンの寝顔が尊い
おいおい。イヤホン分け合いっこかよ!
てぇてぇ!!!
何聞いてんだろ?なんでもいいけど可愛い。
司令サンはというと、せっかく窓側に座ってるのにパイセンの顔しか見てない。相思相愛。カップル。
もしかして、やっぱりもう付き合った?
絶対付き合ったな。これは。
後で聞こっ!
俺は肩からの感覚で目が覚めた。
目を開けると、司令さんが肩を叩いて起こしてくれていた。窓の景色はすっかり変わっていて、いつにも増して和風な雰囲気が広がっていた。
「んー…….着いたんすか」
司令さん『着いた。降りれるか?』
「降り…..れるっす…」
司令さん『ほら、手。』
「えっ!?…..あ、ありがとうございますっす…..。」
俺は少し戸惑いながら、差し出された手に応えた。
司令さん計算してやってんのか天然なのかわかんねぇ…
どっちにしてもイケメンだけどね!!!!!!
でもくっそ恥ずい!!!!!
私は見てしまった。
パイセンの照れ顔をッッッ!
っかー!てぇてぇ!!!!
そして、司令サンは司令サンでイケメンすぎる!
さりげなく手差し伸べるとか、どうやって生きてきたん!!!!!
ずっと見てたい。時止まれ。マジで。
8号「?」
1号「温泉街来たー!」
2号「いえーい」
3号「凄〜!めっちゃ和って感じ!イカスタあげよ〜!」
8号「ワクワクシマス…」
司令さん『趣がある。』
目の前に情報が多すぎて何も思考出来ないが、みんな楽しそうだから良いとするか。
実際、周りはどこもかしこも木造建築ばかりでいつもと違う雰囲気を感じさせている。温泉もありいい匂いがして居心地が良い。
2号「じゃ、とりま旅館いこっか。」
1号「わーい!クサヤ饅頭!」
2号「荷物置きに行くだけよ。」
3号「温泉!温泉!ひゃほーい!」
8号「オンセン…!」
2号「荷物置きに…って、聞く気ゼロだし…。」
司令さん『旅館…..』
「ノリノリっすねぇ…w」
そして、なんやかんやあり旅館の各部屋に着いた。
「おぉ〜!広いっすねぇ!」
部屋はザ・旅館の部屋って感じで、ちっちゃい机によくある平たい椅子が5つ。
テレビが置いてあり、布団が2枚敷いてあった。
司令さん『旅館でこんなに1部屋が広いなんてなかなかに珍しい。いい部屋だ。』
司令さんはとても感心している様子で、部屋を隅から隅まで観察している。
ここで泊まれるなんて、最高の一日になるだろうな…。
「んじゃあ、合流しに行くっすか。温泉街探検っす!」
司令さん『…。そうだな。行こう。』
1号「食べ歩きだーーー!!!!!」
2号「ハイハイ、ちょっと黙ろね〜」
3号「はちちゃんどこ行く〜?」
8号「アニメノセイチガアルノデ、ソコニ…✨️」
3号「嘘!?そこ私も行きたいって思ってた!行こー!」
色々あり話し合った(お互いに行きたいところを譲らずに行く所が決まらなかった…。)結果、ペアになって観光することに決まった。
女子組は行動が早くて、あっという間に人混みに溶け込んでいってしまった
「みんな諦め悪いっすね…」
司令さん『まぁ、全員が妥協するより自由行動の方が楽しめるだろう。僕達もどこか行くか?』
「そうするっす!どこか行きたいとことかあるっすか?」
司令さん『今日は4号のために来たんだから、4号の行きたい所へ行こう。4号はどこに行きたいんだ?』
「えっ、俺の行きたいとこ…?…じゃあ。」
俺はスマホの地図アプリを開き、指を指した。
「ここの焼き団子がちょっと気になってたんすよねぇ」
司令さん『ここなら歩いて行ける距離だな。よし、行こう。』
と言うと同時に、司令さんは手を差し出してきた。
「え?」
司令さん『ほら、何してるんだ?』
「それはこっちのセリフなんすけど…?」
司令さん『何を言ってるんだ?』
「その手、なんすか?」
司令さん『何って…手を繋ぐに決まっているだろう?』
「なんでそんな当たり前みたいに!?」
司令さん『当たり前だろう。僕たちは恋人同士だぞ?それに、こんな人混みの中ではぐれてしまったら大変だろう。』
「ぬ”ッ!?」
不意打ちを食らった…ッ!
恋人同士と言う単語が俺の頭に響いて残る。
改めて俺たちは付き合ったんだと認識されて、ますます顔が熱くなった。気がする。
「…じゃ、あ。」
俺はそっと手を繋いだ。
司令さん『…?うーん…。違う。』
「な、なんすか…..うおぁっ!?」
司令さんは巧みに指を動かし、俺の手に指を絡ませギュッと握った。
司令さんの指1本1本の感触が、指と指の間からゾワゾワっと感じられてどうにかなりそうだ。
司令さん『恋人同士は恋人繋ぎをするんだろう?さぁ、今度こそ行こう。』
「ッー…。は、ハイ」
司令さんは少しルンルンとした感じで歩き始めた。
周りは人だらけだったけど、俺はなんだか2人だけしか居ないような感じがした。
しばらく歩いていると、目的地に到着した。
団子屋さんには、珍しくイートインスペースがあるようだが、やはり観光客が多く混んでいる。
店に入る直前まで繋いでいた手を、司令さんは渋々離した。
店に入ると、注文の列が出来ていて、俺達はそこに並ぶことになった。
並んでいる間にメニューを店員さんから貰ったので2人でみることにした。
司令さん『4号は、どれがいいんだ?』
「俺は〜、…このいちごのやつっすかねぇ」
司令さん『ほう。意外と可愛らしいな?』
「えっ、はッ!?かわ!?」
何言ってんだこのイケメンは!?
司令さん『えっと…4号は意外と甘党男子で可愛いと思ったんだ。』
「わざわざ理由まで説明しなくていいっす!そうじゃなくて…いきなり可愛いとか……心臓に悪いっす。」
司令さん『悪い。少しからかいたかっただけなんだ。ん、…注文の番が来たみたいだ。じゃあ、僕が払うから少し待っていてくれ。』
「え?」
店員さん「いらっしゃいませ!」
司令さん…👇……👇
店員さん「べにまんまるとよもぎまんまるが1つずつですね!よもぎまんまる、あんこが粒あんになっておりますがよろしいでしょうか?」
司令さん👌
店員さん「はぁい!かしこまりました〜!お値段…」
司令さんは流れるように会計を済ませてしまった。
俺の分まで司令さんが払ってしまったので財布を取り出していると、司令さんは俺の肩に手を置いて、首をフルフルと横に振った。
司令さん『今日1日は全て僕の奢りだ。だから払う必要はない。』
「えぇっ!?いやいや、流石にそれは申し訳無いっす!払うっす!」
司令さん『遠慮するな。僕が奢りたいから奢ってるだけだ。』
「えぇー、でも…俺、司令さんのより高いの買っちゃってるし…それに」
司令さん『お、焼き団子が出来たみたいだ。受け取ろう。』
「あっ、ちょ!」
司令さんは俺の話を遮りやがっ…遮った。そしてそのまま店員さんから団子を受け取り、俺に手渡した。
司令さん『ほら、受け取ってくれ。お金なんていいんだ。』
司令さんの笑顔が眩しい。満面の笑みでは無いはずなのにそう思った。
「…ありがとうございますっす。」
『今日ぐらい遠慮せずに楽しむといい。な?』
司令さんはちょっとだけ誇らしげな表情で、俺に笑いかけた。
なんか、今日の司令さんは一段と彼氏って感じがする…。
この会話は俺が譲らないと終わらなそうだ。
「…じゃあ、今日は司令さんに甘えさせてもらうことにするっす!」
俺がそう言うと、司令さんは少し口角を上げた。
まぁ…司令さんが喜んでるならそれでいっか。
司令さん『そうしてくれ。じゃ、団子食べるか?だが、食べ歩くには人混みがすぎるし、イートインスペースはもう空きが無いようだな…。』
「それなら、近くに小さな公園があるっす。そこのベンチとかで食べるのとかどうっすか?」
司令さん『いい案だ。では、そうしよう。どうせ時間には余裕があるし、ゆっくりしていこう。』
「よし、じゃあ行きますか!」
司令さん『うむ。』
俺達はそうして、歩いて公園へ向かった。