テラーノベル
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「どこ行こうか」
彼らに足りなかったのは
金でも
友でも
愛でも
居場所でも
ましてや才能でもなかった
夏の夜特有の湿った風が髪を揺らす
月明かりが二人を照らしていても、
お互いの顔がよく見えない程度にはうす暗い
「どこでもいいっすよ。先輩となら」
ささやかな、一日かぎりの逃避行
暑苦しい昼下がり
夏休み間近ということもあって、最近は短縮授業が増えてきた
そのおかげかそのせいか、
帰宅部である俺はが日が最も強く照り付ける炎天下の昼間に帰路につかなければならなかった
あまりの暑さに耐えきれず、普段は控えてる買い食いをしようと
目についたコンビニに入る
自動ドアをくぐると自分の身にまとわりつくような湿った暑さが吹き飛び
汗が凍り付くように冷えた空気が頬をなでる
名前は知らないけど、聞いたことはある気がするような
ありきたりな店内BGMを頭にも入れず
吸い寄せられるようにアイスがおいてある冷凍庫の前に立つ
そこで気づいたスイーツ売り場の前に見慣れた人影がいることに
静かに足音を消してその人の背後に回る
「…っわ!」
そう言って自分より下にある肩をたたくも全く驚いてはくれない
「え~?なんで先輩ビビってくれないんっすか~?」
「馬鹿だなぁ…全部見えてるんだよ…」
そう言って、軽くスイーツがおいてあるケースを指でたたく
指がさされている面はまるで鏡のようになっていて、俺の姿が反射していた
新作だお(^O^)
モノクロナツキ
コメント
1件
ユエツさん、第2話読ませていただきました🌷 「どこでもいいっすよ。先輩となら」——この台詞に全部詰まってる気がします。昼下がりのコンビニ、スイーツケースに映る姿を使った「ばれてた」オチがすごく好きです。先輩の「全部見えてるんだよ」が優しくて、距離感が絶妙でした。夜の逃避行と昼のコンビニ、対比も効いてますね。続きが気になります🤍