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寒気と倦怠感で目を覚ます。
「もう8時か。なんか、体熱い」
ピピピッ、ピピピッ、体温計を見てみると、37.8°ほどの熱があった。きっと昨晩、髪を乾かさなかったせいだろう。ダルすぎと思いながら、ベッドに項垂れる。
ゴホゴホ!ゴホッ!数時間経ったが、体調は悪くなる一方だ。熱も上がり続けているため目の前がクラクラし始める。どうすべきか分かってはいるが実行できずにいる。しかし、あまりの辛さに昨日もらったメモに手を伸ばし、なんとか電話をかける。
「はい、僕の可愛い子、ちゃんと電話をしてくれたんだね。ありがとう。ん?息が荒いようだけれどもしかして、体調が悪いのかな?」
「はぁ、はぁ、お、お兄、来て、はぁ、体熱い…」
彼に伝えたと同時に気絶してしまう。
「す、すぐに行く!」
彼は焦った様子で必要なものを持ちすぐに車に乗って、家へと到着する。彼はドアが開いていることに気づき、速やかに中へと入り鍵を閉めて、私が気絶しているベッドへしゃがみ、そっと私の体を揺する。
「来たよ。起きれるかい?」
彼の声で何とか目を覚まし、彼はすぐに私を抱き抱えるように支えて水と薬を飲ませる。はぁ、はぁ、と熱く息を吐き出しながら彼の腕の中から彼を見上げる。彼はその視線に気づき、優しく微笑みながら持ってきたゼリーを口に運んでくれる。彼に介抱されて、なんとか熱が落ち着き、先ほどよりは元気になる。
「お兄、ありがとう、さっきより辛くないよ」
「それは良かった。でも、まだ熱があるから無理してはいけないよ。ほら、今日はもう休んで」
彼はそう言うと、毛布をかけ直してくれ私が眠るまですぐそばで見守っている。
スッと目を開けると外はすっかり暗くなっている。ふとソファを見ると、彼が眠っている。まだ少しフラつくが、だいぶ良くなった体で彼に近づきそっと毛布をかけるが、彼の目が開く。
「起こしちゃった?ごめん」
「ううん、それよりもういいのかい?」
「うん、もう大丈夫」
「良かった、明日までしっかり休むんだよ?いいね?」
心配してくれる彼を見てこくんと頷く。そして、彼は私が再びベッドに入ったのを見ると、頭を撫でてから家を出ていった。
次の日の朝になって、すっかり元気になり彼にお礼のメッセージを送る。返事はすぐに帰ってきてそれに付け加える形で、しばらくは仕事が忙しくて会えないと追記されている。少し残念な気持ちもありながら、自分の仕事が溜まっていることを思い出す。仕事部屋に入って、作曲作りに専念する。最近は、アイドルグループやアーティストグループからのオファーが多く、ありがたい事に忙しくさせてもらっている。
ふぅと一息つき、ベランダでタバコを吸う。すると、携帯が光る。どうやら誰かからのメッセージらしい。携帯を見てみると、
「今晩、暇か?暇だったらひさびさにうちに来い」
そのメッセージを見ながらタバコをふかして、少し考える。彼のことが頭をチラつくが別に付き合っているわけでもないし、気にする必要はないと自分に言い聞かせて、あいつの家に行く事にする。
家に着き、インターホーンを押すとガチャっとドアが開きあいつが出てくる。
「あー、久しぶり」
「おう、入れよ」
あいつの後に続いて家に入り、無駄な言葉は重ねず激しくキスする。そのままベッドに倒され、チュッと音を立ててキスしながら服を脱がせ合う。ひさびさのせいか、お互いに少し焦りぎみに体を求め合う。はぁ、んっと声が漏れ、さらに激しくなっていく。しかし、何故だか、優しく頭を撫でてくれる彼が頭に思い浮かぶ。関係ないと自分に言い聞かせて、目の前の男と何度も体を求め合う。
「なぁ、お前なんか考えてたろ」
「べつに、何だっていいでしょ。私たちはただの体の関係なんだし」
と言いながらフゥーとタバコの煙を吐き出す。
「…だな」
そう言うと不満そうな顔をしたため何か言いたそうだなと思ったが、わざわざ聞くほどの関係でもないと思ってそのまま流す。そして、二人でベッドで横たわり眠りについては起きてまた求め合うを繰り返し、朝を迎える。
「じゃ、また」
「おう、今度はお前んち行くわ」
その言葉に軽く手を挙げて応えて、ドアを閉めて家へと帰る。
バッグに手を突っ込みいつものことながら鍵を探す。鍵を指で回しながら、廊下を歩いていると自分の部屋の前に見慣れた姿がある。
「お兄、どうしたの?」
「やっとだ。やっと仕事が終わって君に会えたよ」
と彼は微笑んで言ってまた優しく撫でてくれる。そして、そのまま私を抱きしめた。幼馴染だから距離感わからないんだなこの人と思いながら、ポンポンと背中を優しく叩く。彼はそれに嬉しくなったようで、さらにぎゅっと私を抱きしめた。彼にお茶でも出すかと思い、鍵を開けて家へと招き入れる。
「ソファにでもすわ!」
そう言いかけた瞬間、彼に腕を掴まれて壁に押さえつけられる。
「ねぇ、僕の可愛い子、どうして君からほかの男の匂いがするのかな?」
今まで見たことのないような形相で私を見下げて、彼は言う。彼はスンスンと鼻を鳴らして、私の首元や髪の匂いを嗅ぐ。
「説明してくれるかな?」
彼の表情はさらに鋭くなり、私の腕を握る手にもさらに力がこもる。
「な、何だっていいでしょ、なんでそんなことお兄に言わないといけないの」
そう言うと彼は、私の首筋に歯を突き立てた。
「いっ!な、なにすんの!」
「教育かな」
と言った彼は、狂ったような笑みを浮かべて私の腕を強く掴んだままベッドへと向かう。ベッドに着くと彼は私をベッドの上に投げるようにして押し倒し、覆い被さり、耳元でこう言った。
「僕の可愛い子、もう逃さない」
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