))アンケートの結果『善人だぁれ?』が1番票数が多かったので書きます!こちらの作品が終わり次第、『365回目の告白で、』を書きます!
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『だ〜るまさんが こ〜ろんだ!』
公園を通りがかると、平和な声がいくつも聞こえてくる。僕はこの声が好きだ。
子供達が仲良く遊んで、皆が眩しい笑顔を浮かべている。
でも、これだけ素敵な場所だからこそ気付けないことがある。
『うぇ〜んっ…!!』
それは、誰かの泣き声や、
『はぁ…!?お前、死ねよ!!』
怒りの感情だ。
僕はこの声と感情は好きじゃない。
笑顔には必ず裏がある。
善人(ヒーロー)の皮を被った悪魔(ヴィラン)、
犠牲者(大人)の皮を被った犯人(死人)。
だから、本物の善人、犠牲者はどこにも居ないんだよ。居るのは己の事しか見えない者だけ。
__もちろん、僕もだけどね。
「アラタ」
突然、僕の名前を呼ばれた気がして辺りを見渡した。
「…..リン…か…」
「なにその反応…」
「うるさい、僕は今君に構ってる時間はない」
リンと関わっているとろくなことが無い…それは長年の付き合いで分かってきた。
でも、今まで行ってきたことにいきなりブレーキをかけるのは難しい。
「今夜、”時計の下”に7人で会いましょ」
「はっ!?」
「わかった?」
「…..あ、あぁ…」
僕はリンの言葉に驚いた。
“時計の下”というのは、僕を含めた劇団の集合場所…..とでも言おうか。
劇団員は全員で7人。僕とリン、そして他にも個性の強い奴らが居る。
一体何をすると言うのだろうか___
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜時計の下〜
___来てみたものの、生憎外は真っ暗で劇なんて出来たもんじゃない。
『だぁ〜る〜まさんが こぉ〜ろ〜んだぁ〜』
「…?」
現在の時刻はそろそろ0時を迎えるというのに、小さな子供の声が周りから聞こえてくる。
「気味が悪い…」
僕はそう呟いてから、ポケットからスマホを取り出して劇団員の1人に電話をかけようとした。
………その瞬間だった。
「うっ…!」
辺りは突然緑色に輝いて、公園全体を照らした。
「…月が…..」
緑色の輝きの正体は満月だったらしい。
緑色の月なんて聞いた事がない……
もしかしたら団員のイタズラかもしれないともう1度辺りを渡すも、そこには何も無い。
___ただ、
『ハルトくんみぃ〜つけたぁ〜』
と、遊ぶ子供の声のみ聞こえる。
『アカリちゃんみぃ〜つけたぁ〜』
「…….まさか…な…」
僕は子供の声に違和感を感じた。
『アオイちゃんみぃ〜つけたぁ〜』
『イブキくんみぃ〜つけたぁ〜』
『エミちゃんみぃ〜つけたぁ〜』
「…….」
やはり、その違和感は当たっていた。
この子供達が呼んでいる名前は全て、団員の名前だ。
『リンちゃんみぃ〜つけたぁ〜』
___”たすけっ…!”
「っ…!」
僕は身の危険を感じて急いで走り出した。
___けれど、判断が少し遅れた。
『アラタくんみぃ〜つけたぁ〜♪』
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