テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
晴明視点。
「っ……みなさん、!もっと離れt((」
「離れても意味ないよ。」
「僕、戦うタイプじゃないし」
読まれてる。
何が言いたいか。
何がしたいか。
全部。
「………見つけたはいいものの、どうすんだよこれ」
覚がその声に反応した。
いつの間にか、ぐっと飯綱くんの目の前に。
「……あ?」
「………へぇ。」
「……嫁を1回諦めかけたこと、後悔してるんだ」
「っ……!!」
飯綱くんの心が読まれてる。
そこを突くのか。
傷口を抉るみたいに。
「……酷い話だね。」
がっ!!
凛太郎くんが殴る。
覚が身軽なせいで、手は空を切ったが。
「……あんた、なんやの。」
飯綱くんを庇うみたいに前に出る。
「………酒呑童子なんだ。」
やはり、バレてる。
「……せやったら何。」
「………死んじゃったんだね。」
「は、?」
「友達。」
息が、止まる音がした。
空気が、凍る。
「今でも夢に見るんだ」
「…黙れやッ!!」
「なに、なんか違った?」
ひくりと、凛太郎くんの喉が閉まった。
目を見開いたまま、硬直している。
「そこの君は?」
指が指される。
長い三つ編みが揺れていた。
恵比寿先生は何も言わない。
ただ、手を強く握っている。
「………大切な人、周りに奪われていくんだ。」
「可哀想だね」
「同情のつもり?」
恵比寿先生の手は、さらに力が籠った。
足は、完全に固まっていた。
「まだ追いかけてるんだ」
そう呟いた。
そして、目を合わせたのは──
学園長の指が、ぴくりと動く。
「もういないのに?」
覚が不気味に笑う。
「忘れられないんだね」
学園長の目が少し鋭くなった気がした。
「……だから、代わりを置いてる?」
「っ……!」
がくん、と力が抜ける。
学園長はそのまま膝をついて崩れた。
………代わり。
その言葉。
僕にも重くのしかかった。
学園長は、何も言わない。
ただ、顔を伏せてる。
それが答えだった。
肯定してるんですね。
学園長?
「もういないのに?」
学園長は黙ったまま。
覚は、興味を失ったみたいに視線をずらす。
「次」
無邪気な子供みたいな声。
遊んでるみたいな。
完全に、心を読まれている。
その時。
「……一々うるさいね」
隊長さん。
いつも通りの声だった。
「さっきから、ぺらぺらと」
笑っている。
でも、目は笑っていない。
「黙ってくんない?」
次の瞬間。
翼がばさりと開いた。
目で追えない速さ。
気づいた時には、
覚との距離がぐんと詰められていた。
でも、ひらりと避けられる。
「来る方向、丸見え」
『……!』
背後。
振り向くより先に、さらに距離を取られる。
「全部読めるよ」
少しだけ、つまらなそうに言う。
「……は、なるほどね」
笑う。
それ以上は踏み込まない。
理解したから。
当たらないと。
「君は、苦しいんだね」
覚は、
最後にゆっくりと視線を動かした。
そして。
僕を見る。
体が強張る。
「君は……誰にも見られてないと思ってる」
かつっ。
かつっ。
足音を目立たせるみたいに歩きながら、
近づいてくる。
ひくっ、と身体が揺れた。
「見られてないって思ってる」
「ちゃんと見てもらえてないって」
もう目の前。
逃げられない距離。
「だから、必死にやってる」
「*今*の*自分自身*を見て欲しくて」
『……うるさっ…』
「でも、結局は誰も見てくれないんだね」
声が遮られる。
否定できない。
何も。
言葉が出ない。
何も。
「ねえ、違う?」
顔が近い。
にこにこと、
僕を嘲笑ってるみたいに。
『……ちが……』
声が震えて、膝に力が入らなくなる。
「裏切られて、重ねられて。
見てくれる人がいても、昔のものだったり」
みんなの視線が刺さる。
嫌だ。
見ないで。
──僕の本心を。
「あーあ……かわいそ」
コメント
2件
めっちゃ面白かったです〜!みんなの悩んでる考えがちゃんとキャラに合っててすごいです!尊敬します!みんな闇属性すぎる〜負けるな〜光属性飯綱〜晴明〜!これからもがんばってください〜!