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私には好きな人がいる。同じクラスの男子だ。
その人はいつも一人でいて、休み時間は本を読んでいることが多い。友達がいないのかと思っていたけど、そうではないらしい。隣の席の子とよく話している姿を見かけるからだ。
だからといって、その子のことが好きかというと……正直微妙だったりする。だって、その子は私のことが好きだから。私もその子のことを好きじゃないけど、向こうはその逆みたい。
別に嫌っているわけでもないけれど、なんとなく関わりにくい雰囲気を持っているのだ。それはきっと彼女の性格の問題だと思う。
彼女は自分の気持ちを押し隠して、ただ遠くから見ていることしかできないタイプなのだ。それが悪いことだとまでは言わないけど、見ててあまり面白いものではない。
私が彼女を好きになれない理由のひとつはそれかもしれない。もちろんそれだけじゃなくて他にも理由はたくさんあるんだけどね。
例えば、彼女がクラスの中で浮いているということとか。その理由は明白で、彼女には親しい友人と呼べる存在がいないからだろう。クラスメイトのほとんどは、彼女と必要以上に関わろうとしないのだ。
彼女の名前は、小鳥遊優希(たかなしゆうき)。身長158センチの小柄な少女だ。髪の色は茶色で長くもなく短くもない、いわゆるセミロングと呼ばれる髪型をしている。顔立ちはやや幼さが残るものの整っており、目はくりっとしている。肌の色も白く、全体的にかわいらしい印象を受ける容姿である。
しかし、その表情は常にどこかぼんやりとしていて、何を考えているのかわからないことが多い。それが彼女を近寄り難く見せている一因となっているのだが、本人は特に気にしていないようである。常にマイペースで周囲を困らせることもしばしばだが、決して空気が読めない訳ではなく、むしろ周りのことをよく見ていて、いざという時は頼りになる存在でもある。
また、意外とお節介焼きで面倒見がよく、何か悩みがある人を見つけるとその解決に向けて尽力する一面もある。ただ、彼女から相談を持ちかけられた人は大抵の場合困惑してしまい、結局は何もできずに終わることが多いらしい(ちなみに彼女が他人に相談事を持ちかけることは滅多になく、それ故彼女は友達が少ない)。
一方で、自分が興味を持ったことに対しては積極的に首を突っ込みたがる傾向がある。例えばゲーム好きを自称しており、暇さえあれば部屋に籠って一人でプレイしているほどである。本人曰く「このゲームが面白いと思ったら人生の半分以上は勝ち組」とのことだが、実際かなりの腕前である。
ちなみに、彼女の部屋には大量のゲームソフトがあり、その中には「一人用RPG」と銘打たれたものも数多く含まれている。このことからわかる通り、実はゲーマーなのではないかという噂もあるが真偽は不明