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「あなたは、魔族なの…?」
「だったらなんだ…」
依然として、子供は威嚇する体制を保っている。
「ねぇ、何であそこにいたの?」
「お前に教える義理はない!!」
さらに怒らせてしまったようだ。
(いったいどうすれば…私はただ、この子に元気になってほしいだけなのに…)
「しばらくここにいない?」
「は?」
唐突のことに驚きの声が子供から漏れた。
「すぐに私に攻撃しないし、逃げもしないってことでしょう?」
「っうるさい!!」
やはり、子供は一向に動かない。
「私はあなたを助けたいの!!私を利用してもいい、元気になるまでここにいて勝手に出ていってもいい。だから、私にあなたを助けさせてほしいの!!」
「…それは、偽善だ。」
そうだ、私は私がシオ・ルドーシュになるためにこの子を助けようとしている。
私の中のシオ・ルドーシュを壊さないように。
「だけど、そこまで言うならは利用してやる。」
「っ!!ありがとう!!」
思わず子供の方へ駆け寄り、抱き締める。
「礼はいらない。私がお前を利用するだけなんだから。でも…」
突然、子供に押し倒される。
「今すぐ、利用させてもらう。」
「何、を…っ!!」
それは、キスだった。甘く、とろけるような、そんなキスをされた。
「っん、ぷはっ、っんぁ」
唇をこじ開けて舌が口へ入っていく。舌も唾液も全てがからめとられていく、そんな感覚を覚える。
「ぷはっ」
ようやく終わり、口を離されたときにはもう疲れてヘトヘトになっていた。
「ねぇ、おねーさんの名前って何?」
「シオ・ルドーシュ、だよ」
「そうなんだ。私はフェリス。サキュバスだよ。しばらくよろしくね、シオ。」
サキュバス特有の先がスペードの形をしているしっぽが見え隠れする。
「よろしく…」
とりあえず、押し倒されているこの状況をどうやって直すかということをシオは考えていたのであった。