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あべなべ
ポリネシアンセックスです
阿部→「」
渡辺→『』
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阿部side
いつも通りリビングのソファに二人で並んで座っていたときのことだった
『ねえ阿部ちゃん』
「ん?」
『…やっぱなんでもない、』
「ここまで来てなんでもないことある?笑」
『いや引かれるかもなって』
「…?犯罪したとかじゃなかったら引かないよ」
『犯罪はしないけど笑』
数秒の沈黙の後、ちょっと恥ずかしそうにスマホの画面を見せてきた彼は、俺がそれを読み終わったと同時くらいにスマホを引っ込めて早口で捲し立てるようにペラペラと喋りだした
『…やっぱ今の無し!!ごめ、無かったことにしといて、忘れて。俺がただ…』
「しようよ」
『…え?』
「え、だから、これやってみよ」
『え、いいの?』
「可愛い彼女からのお誘い俺が断るわけ無いでしょ?笑」
スマホの画面に書いてあったのは「ポリネシアンセックスのやり方」かなんかいう記事だった。翔太からこういうの提案してくるの珍しいし、面白そうだったから乗ってみる。この後苦悩の5日間を過ごすとも知らずに…
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「えーっと?まず1日目、今日はお互い全裸になって…え初日から脱ぐんだ」
『なんの意味があんだよそれ…』
「わかんないけど書いてあるんだもん」
『まあいいや、お互い全裸でなに?』
「見るだけ見て、あ…愛を?伝えあう、らしい…笑」
愛を伝え合うとは。しかも裸で?普段お互いにあんまそういうこと言わないしそういうことする時以外にお互いの前で脱いだりしないから照れ臭いな。翔太も同じこと思ってんだろうけど
『マジでなんの工程だよ笑笑』
「だからわかんないけど書いてあるんだって!笑」
『ならまあ、やるしかねえか笑』
「そ、ほらほら脱いで!」
バサッと全部服を脱いで彼の方を見ると何故か下着の段階で躊躇していた。いつも俺が脱がしてるから自分から脱ぐの恥ずかしいのかな
「何でそこで躊躇ってんの笑」
『恥ずいんだって、!』
「見飽きるくらい見てるから大丈夫だって」
『え見飽きられてんの?』
「飽きてない!!」
あの、ちょっと寒いから早くしてほしいんだけど。結局俺が無理やり身ぐるみ剥がしてベッドの上で何故か二人して正座。ここからなんか喋らなきゃダメなんだよね。…え、合ってる?
『…なんか、喋れよ、』
「…そっちこそ」
『…』
「…」
気まずいって!どうしたらいいのこれ、困ってしまって彼を見詰めるとその視線に気が付いたのか此方を見詰め返してきた。あー俺から言えみたいな顔してるし雰囲気醸し出してるわ。仕方ないなぁ
「…折角だし普段あんま言えないこと言おうかな」
『普段言えないこと?』
「…俺、だいぶ強火のゆり組担じゃん」
『…笑 そうだな、』
「だからゆり組がいちゃついてると、うぉージャスティスってなってるんだけど、それと同時に翔太の彼氏だからまぁ…その、ね」
『…ね、じゃわかんねえんだけど』
嬉しそうな、照れているような笑みを浮かべて彼が問いかけてくる。その問い掛けに、一呼吸置いてから真っ直ぐ見つめ返して愛で返す
「…翔太のこと、大好きだから。ちょっとだけ嫉妬してたり、します」
『…それ言いだしたら俺もなんだけど』
「え?」
『めめあべとかあべさくとか同い年のヤツがいたりとかさ、変な話お前組み合わせめっちゃあるじゃん』
「んー…まあ、そうだね」
『しかもみんな距離近ぇじゃん』
「…ごめん笑」
彼がそんなことを思っているだなんて考えたこともなかった。あんまくっつかれるの嫌なタイプかと思っていたから控えめにしていたのに思っていたよりぐいぐい行っていいのか?
『いやそれは良いんだけど、俺だってもっと阿部ちゃんとくっつきたい、のよ』
「…え、そうなの?」
『そりゃそうだろ、好きな人に触れたいって、普通の感覚じゃね?』
「それはそうだね」
『だからもっとあの、くっつきたい』
「くそ、今手出せないのキツいな、」
『ふは、好きだよ阿部ちゃん』
なんか付き合いたてのカップルみたいな雰囲気の中、最後に1度ハグだけしてその日は二人で眠りについた
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渡辺side
2日目、軽いキスと性感帯以外へ触れることはいいらしい
「ちゅーしていい?」
『わかってんだから聞くなよ、』
啄むようなキスを繰り返す。何度も何度も角度を変えて、ただ触れあうだけのキスを送ったり、受け取ったり
『…なんかアレだな』
「何?」
『5日間も我慢できるかなって、思った』
「出来なくなったら今回は諦めてまた次リベンジすればいーじゃん」
『…でもスケジュールがさぁ』
「…確かに」
なんやかんやと話しているうちに折角目の前に居るしキスとかスキンシップ解禁されたのに触れないのも変な話だと思い始めたから自分から近寄って思いっきり抱き締める
「うぉ、翔太そんなことするようになったの?!笑」
『うっせえ笑』
「えぇ可愛い…翔太可愛いね」
ぎゅうっと抱き返されて耳元で可愛い、と囁かれるとなんか耳が熱くなってきた。あーくそ、調子狂う
『俺が我慢できなくなったら止めて、』
「わかった頑張る、つられないようにしなきゃね笑」
もっと欲しくなってしまいそうだから、とその日はもう一度だけお互いにキスをし合って手を繋いだまま寝た
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