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….「国家血液変異戦線同盟」。色々な略し方はあるが、主な呼び名は『国家血盟』または『血盟』。
西暦3254年以降、徐々に血液変異が浸透していったこの世界では、様々な変異を持つ人間がいる分殺傷事件等も多くなった。
国はそれに対応し、法律で一般市民の緊急時速報がなっていない街中での変異の使用を禁止した。
だが、この法律を犯すのが「犯罪」なのだ。いつの時代も犯罪者は絶たない。そこで国が設立したのが、国家血盟である。
政府監視下の元、19の試験を通過した者がそこに加盟でき、変異使用許可の証を貰える。
国家血盟は変異の使用が常時認められている代わりに、犯罪者と常に対峙し直ちに捕らえることを第1の原則としている。
(まぁいわば警察の類!なんせ倍率が高くて常に人員不足だから俺も昨晩駆り出されて寝不足って訳!!!)
…で、こいつ(弦)もまさかの国家血盟の1人だったと。
「うへぇまじかよ!狭い世界だなァ…」
「赤峙なら通ると思ってた」
相変わらず優しく見つめてくる弦との距離感に、正直困っている。分からん。
「まー意外に優秀?だからねん」
「赤峙….弟は元気か?」
…弟のことも知ってんだな…。
「…死んじまった。2年前、病気で。」
「っ…ごめん。不躾だった。」
「いやいーよ!実…弟のことも知ってんならそりゃ気になるだろうよ!あと..全く会えねェわけじゃないんだ。いや俺は会えねェけど!!」
「…?、?」
ダメだ説明の仕方が全く分からない。身内と政府くらいしか俺の変異を説明できる人間いないし…
「なァ、入学式で気になる子見つけたか?」
「赤峙」
「ッハ、じゃー大丈夫だな。抜けだそーぜ」
そう言って弦の手を引き校門を出て、ある程度人気のないところまで来た。
「…?赤峙、どうしたの?」
「…っし、今からこのギザギザの歯で指噛んで変異すっから、まァ見といて」
そう言って俺は指を噛み、そこから垂れた血を舐めた。